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02月25日-03号

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  1. 宮城県議会 2021-02-19
    02月25日-03号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    令和 3年  2月 定例会(第377回)          第三百七十七回宮城県議会(定例会)会議録                              (第三号)令和三年二月二十五日(木曜日)  午前十時開議  午後三時五十三分散会      議長                     石川光次郎君      副議長                    齋藤正美君出席議員(五十七名)      第一番                    金田もとる君      第二番                    小畑きみ子君      第三番                    三浦ななみ君      第四番                    石田一也君      第五番                    柏 佑賢君      第六番                    福井崇正君      第七番                    渡邉重益君      第八番                    わたなべ 拓君      第九番                    伊藤吉浩君      第十番                    大内真理君     第十一番                    福島かずえ君     第十二番                    枡 和也君     第十三番                    佐藤仁一君     第十四番                    遠藤伸幸君     第十五番                    八島利美君     第十六番                    瀬戸健治郎君     第十七番                    櫻井正人君     第十八番                    村上久仁君     第十九番                    高橋宗也君     第二十番                    庄田圭佑君    第二十二番                    遠藤隼人君    第二十三番                    天下みゆき君    第二十四番                    三浦一敏君    第二十五番                    渡辺忠悦君    第二十六番                    佐々木功悦君    第二十七番                    境 恒春君    第二十八番                    太田稔郎君    第二十九番                    高橋 啓君     第三十番                    横山のぼる君    第三十一番                    渡辺勝幸君    第三十二番                    横山隆光君    第三十三番                    佐々木賢司君    第三十四番                    守屋守武君    第三十五番                    外崎浩子君    第三十六番                    佐々木幸士君    第三十七番                    村上智行君    第三十八番                    高橋伸二君    第三十九番                    熊谷義彦君     第四十番                    岸田清実君    第四十一番                    菅間 進君    第四十二番                    坂下 賢君    第四十三番                    ゆさみゆき君    第四十五番                    吉川寛康君    第四十六番                    伊藤和博君    第四十七番                    庄子賢一君    第四十八番                    菊地恵一君    第四十九番                    佐々木喜藏君     第五十番                    石川光次郎君    第五十一番                    中島源陽君    第五十二番                    本木忠一君    第五十三番                    中山耕一君    第五十四番                    齋藤正美君    第五十五番                    安藤俊威君    第五十六番                    畠山和純君    第五十七番                    仁田和廣君    第五十八番                    藤倉知格君    第五十九番                    中沢幸男君欠員(二名)    第二十一番    第四十四番-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    佐野好昭君      副知事                    遠藤信哉君      公営企業管理者                櫻井雅之君      総務部長                   大森克之君      震災復興・企画部長              佐藤達哉君      環境生活部長                 鈴木秀人君      保健福祉部長                 伊藤哲也君      経済商工観光部長               千葉隆政君      農政部長                   佐藤夏人君      水産林政部長                 小林徳光君      土木部長                   佐藤達也君      会計管理者兼出納局長             宮川耕一君      総務部参事兼秘書課長             藤田信治君      総務部参事兼財政課長             小野寺邦貢君    教育委員会      教育長                    伊東昭代君      理事兼教育次長                小林一裕君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   鈴木雄貴君    人事委員会      委員長                    千葉裕一君      事務局長                   山本雅伸君    公安委員会      警察本部長                  千野啓太郎君      総務部長                   内海裕之君    労働委員会      事務局長                   蜂谷 洋君    監査委員      委員                     石森建二君      事務局長                   斉藤敬一君-----------------------------------    議会事務局      局長                     小野和宏君      次長兼総務課長                小野寺 明君      参事兼議事課長                菅原 正君      参事兼政務調査課長              二瓶克之君      総務課副参事兼課長補佐            砂金義徳君      議事課長補佐                 二上秀幸君      政務調査課長補佐               長谷川共子君      議事課長補佐(班長)             田村和江君      議事課主幹                  渡辺祐司君-----------------------------------    議事日程 第三号                令和三年二月二十五日(木)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第四十七号議案及び議第六十四号議案ないし議第六十八号議案第三 議第七十号議案 令和二年度宮城県一般会計補正予算第四 議第七十一号議案 令和二年度宮城県公債費特別会計補正予算第五 議第七十二号議案 令和二年度宮城県母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算第六 議第七十三号議案 令和二年度宮城県国民健康保険特別会計補正予算第七 議第七十四号議案 令和二年度宮城県中小企業高度化資金特別会計補正予算第八 議第七十五号議案 令和二年度宮城県農業改良資金特別会計補正予算第九 議第七十六号議案 令和二年度宮城県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第十 議第七十七号議案 令和二年度宮城県林業・木材産業改善資金特別会計補正予算第十一 議第七十八号議案 令和二年度宮城県県有林特別会計補正予算第十二 議第七十九号議案 令和二年度宮城県土地取得特別会計補正予算第十三 議第八十号議案 令和二年度宮城県港湾整備事業特別会計補正予算第十四 議第八十一号議案 令和二年度宮城県水道用水供給事業会計補正予算第十五 議第八十二号議案 令和二年度宮城県工業用水道事業会計補正予算第十六 議第八十三号議案 令和二年度宮城県地域整備事業会計補正予算第十七 議第八十四号議案 令和二年度宮城県流域下水道事業会計補正予算第十八 議第八十五号議案 東日本大震災復興基金条例の一部を改正する条例第十九 議第八十六号議案 手数料条例の一部を改正する条例第二十 議第八十七号議案 福祉有償運送運営協議会条例の一部を改正する条例第二十一 議第八十八号議案 軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第二十二 議第八十九号議案 養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第二十三 議第九十号議案 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第二十四 議第九十一号議案 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第二十五 議第九十二号議案 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第二十六 議第九十三号議案 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第二十七 議第九十四号議案 指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第二十八 議第九十五号議案 指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第二十九 議第九十六号議案 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第三十 議第九十七号議案 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第三十一 議第九十八号議案 地域活動支援センターの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第三十二 議第九十九号議案 福祉ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第三十三 議第百号議案 指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第三十四 議第百一号議案 指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例等の一部を改正する条例第三十五 議第百二号議案 指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第三十六 議第百三号議案 指定障害者支援施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例等の一部を改正する条例第三十七 議第百四号議案 障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第三十八 議第百五号議案 障害者支援施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第三十九 議第百六号議案 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行条例の一部を改正する条例第四十 議第百七号議案 緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例第四十一 議第百八号議案 道路占用料等条例の一部を改正する条例第四十二 議第百九号議案 県道の構造の技術的基準等を定める条例の一部を改正する条例第四十三 議第百十号議案 建築基準条例の一部を改正する条例第四十四 議第百十一号議案 県道の路線変更について(高城停車場線)第四十五 議第百十二号議案 和解について第四十六 議第百十三号議案 和解及び損害賠償の額の決定について第四十七 議第百十四号議案 工事委託契約の締結について(主要地方道築館登米線萩沢道路改築工事)第四十八 議第百十五号議案 工事委託変更契約の締結について(主要地方道仙台村田線菅生道路等改築工事)第四十九 議第百十六号議案 工事請負契約の締結について(宮城県船形の郷居住棟改築工事)第五十 議第百十七号議案 工事請負契約の締結について(宮城県船形の郷活動棟等改築工事)第五十一 議第百十八号議案 工事請負契約の締結について(渋井川水門新築工事)第五十二 議第百十九号議案 工事請負変更契約の締結について(女川町道女川出島線出島大橋(仮称)新設工事)第五十三 議第百二十号議案 工事請負変更契約の締結について(吉田川堤防等改良工事(その二))第五十四 議第百二十一号議案 工事請負変更契約の締結について(吉田川堰等改良工事)第五十五 議第百二十二号議案 権利の放棄について第五十六 議第百二十三号議案 令和二年度市町村受益負担金について第五十七 議第百二十四号議案 令和二年度市町村受益負担金の変更について第五十八 議第百二十五号議案 令和二年度流域下水道事業受益負担金の変更について第五十九 報告第一号 専決処分の報告について(一般県道石巻雄勝線藤の巻道路改築工事の委託契約の変更)第六十 報告第二号 専決処分の報告について(波路上漁港防潮堤等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第六十一 報告第三号 専決処分の報告について(石巻漁港防波堤災害復旧工事(その五)の請負契約の変更)第六十二 報告第四号 専決処分の報告について(波伝谷漁港防潮堤等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第六十三 報告第五号 専決処分の報告について(水門・陸閘(漁港)遠隔監視制御設備工事の請負契約の変更)第六十四 報告第六号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤新築及び鹿折川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第六十五 報告第七号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤等災害復旧及び新築工事の請負契約の変更)第六十六 報告第八号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第六十七 報告第九号 専決処分の報告について(水門・陸閘(漁港)遠隔監視制御設備工事(その二)の請負契約の変更)第六十八 報告第十号 専決処分の報告について(一般県道石巻女川線浦宿橋(仮称)新設(上部工)工事の請負契約の変更)第六十九 報告第十一号 専決処分の報告について(一般県道石巻雄勝線真野道路改築工事の請負契約の変更)第七十 報告第十二号 専決処分の報告について(一般県道大島浪板線磯草道路改築工事(その二)の請負契約の変更)第七十一 報告第十三号 専決処分の報告について(主要地方道石巻鮎川線大原浜道路改築工事の請負契約の変更)第七十二 報告第十四号 専決処分の報告について(神山川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十三 報告第十五号 専決処分の報告について(追波川等護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第七十四 報告第十六号 専決処分の報告について(大沢川護岸等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第七十五 報告第十七号 専決処分の報告について(白浜地区海岸護岸等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第七十六 報告第十八号 専決処分の報告について(皿貝川等護岸等災害復旧及び新築工事の請負契約の変更)第七十七 報告第十九号 専決処分の報告について(追波沢川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十八 報告第二十号 専決処分の報告について(西沢川護岸等改良工事の請負契約の変更)第七十九 報告第二十一号 専決処分の報告について(大原川護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第八十 報告第二十二号 専決処分の報告について(浦戸地区海岸護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第八十一 報告第二十三号 専決処分の報告について(中島地区海岸離岸堤災害復旧工事の請負契約の変更)第八十二 報告第二十四号 専決処分の報告について(八幡川護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第八十三 報告第二十五号 専決処分の報告について(大島地区海岸護岸等災害復旧工事(その五)の請負契約の変更)第八十四 報告第二十六号 専決処分の報告について(真野川等護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第八十五 報告第二十七号 専決処分の報告について(津谷川護岸等災害復旧工事(その四)の請負契約の変更)第八十六 報告第二十八号 専決処分の報告について(川内沢川護岸等改良工事の請負契約の変更)第八十七 報告第二十九号 専決処分の報告について(旧砂押川護岸等改良工事(その一)の請負契約の変更)第八十八 報告第三十号 専決処分の報告について(主要地方道気仙沼唐桑線神山川橋災害復旧工事の請負契約の変更)第八十九 報告第三十一号 専決処分の報告について(荒川護岸等改良工事の請負契約の変更)第九十 報告第三十二号 専決処分の報告について(仙台塩釜港仙台港区防潮堤建設工事(その二)の請負契約の変更)第九十一 報告第三十三号 専決処分の報告について(仙台塩釜港仙台港区防潮堤建設工事(その四)の請負契約の変更)第九十二 報告第三十四号 専決処分の報告について(都市計画道路門脇流留線浦屋敷道路等改築工事の請負契約の変更)第九十三 報告第三十五号 専決処分の報告について(都市計画道路門脇流留線捨喰橋(仮称)新設(上部工)工事の請負契約の変更)第九十四 報告第三十六号 専決処分の報告について(宮城県石巻好文館高等学校校舎等改築工事の請負契約の変更)第九十五 報告第三十七号 専決処分の報告について(宮城県松島自然の家本館等災害復旧工事の請負契約の変更)第九十六 報告第三十八号 専決処分の報告について(宮城県石巻警察署待機宿舎災害復旧工事の請負契約の変更)第九十七 報告第三十九号 専決処分の報告について(宮城県南三陸警察署庁舎災害復旧工事の請負契約の変更)第九十八 報告第四十号 専決処分の報告について(和解及び損害賠償の額の決定)第九十九 報告第四十一号 専決処分の報告について(交通事故に係る和解及び損害賠償の額の決定)第百 一般質問(代表)  〔村上智行君、坂下賢君、福島かずえ君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二ないし日程第九十九       議第一号議案ないし議第四十七号議案及び議第六十四号議案ないし議第六十八号議案並びに議第七十号議案ないし議第百二十五号議案及び報告第一号ないし報告第四十一号三 日程第百 一般質問(代表)      〔村上智行君、坂下賢君、福島かずえ君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(石川光次郎君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。----------------------------------- △会議録署名議員の指名 ○議長(石川光次郎君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、四十六番伊藤和博君、四十七番庄子賢一君を指名いたします。----------------------------------- △議第一号議案ないし議第四十七号議案 △議第六十四号議案ないし議第六十八号議案 △議第七十号議案ないし議第百二十五号議案 △報告第一号ないし報告第四十一号・一般質問(代表) ○議長(石川光次郎君) 日程第二ないし日程第九十九、議第一号議案ないし議第四十七号議案及び議第六十四号議案ないし議第六十八号議案並びに議第七十号議案ないし議第百二十五号議案及び報告第一号ないし報告第四十一号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました令和二年度一般会計補正予算案をはじめ提出議案の概要を御説明申し上げます。 間もなく東日本大震災の発生から十年が経過しようとしております。 今年度は、震災復興計画の最終年度として復興の総仕上げに向けたラストスパートの年であるとともに、復興期間後の取組も見据えていくべき重要な年でありました。 しかしながら、振り返ってみますと、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に直面し、その対応に優先的に取り組んだ一年でありました。本県では、昨年三月下旬からの感染拡大により県民生活や県内経済は甚大な影響を受け、外出の自粛要請や学校の臨時休業、事業者への休業要請など前例のない措置を講じることとなりました。また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会や第四十回全国豊かな海づくり大会が延期となるなど、様々な取組が予定の変更を余儀なくされました。 昨年の国内での感染発生から一年が経過しますが、不自由な生活等を余儀なくされる中で、一丸となって感染拡大防止に取り組んでいただいております県民の皆様と、医療現場の最前線において最善を尽くされている医療従事者をはじめとする関係者の皆様に対し、この場をお借りいたしまして深く感謝申し上げますととも、引き続き御協力、御尽力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。昨年末から第三波とも言われる感染拡大の波が本県にも押し寄せ、これまでにない多くの新規感染者が確認されたところですが、県内医療機関等と調整を図りながら必要な検査や病床、宿泊療養施設の確保などの対応を講じているほかワクチン接種体制の整備も進めており、今後も適切な体制の構築に努めてまいります。 東日本大震災からの復興への歩みについては、感染症拡大の影響を受けたもののハード面では復興の目指す姿の全容がほぼ現れてまいりました。昨年四月にはプレハブ仮設住宅入居者の退去が完了したほか、石巻市内の内海橋の開通や沿岸部の震災伝承施設の開設、更には来月六日に三陸沿岸道路の気仙沼港インターチェンジから唐桑半島インターチェンジ間が開通し、県内の復興道路が完成するなど復興に向けた取組は着実に進んでいるものと実感しております。今後は心のケアや地域コミュニティーの再生などソフト面に軸足を移し、復興の完遂を目指してまいります。また、令和元年東日本台風により大きな被害を受けた阿武隈急行線は昨年十月に全線で運行が再開されたほか、丸森町内や大崎市内などにおける公共土木施設等の災害復旧については、国や関係市町と連携しながら着実に進めております。 新型コロナウイルスの感染拡大を契機として様々な分野で変革が求められ、社会の在り方は大きく変化しており、収束後のポストコロナを見据えた時代の変化にも的確に対応していく必要があります。来年度からは新たな県政のステージがスタートいたします。今後も批判を恐れず新たなことに果敢に挑戦してまいる所存でありますので、議員各位の御理解、御協力をお願い申し上げます。 今年度の財政運営については、普通交付税や臨時財政対策債はおおむね所要額を確保できる見込みでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により県税や地方譲与税は大幅な減収が見込まれ、国の対策により拡充が図られた減収補填債を十年ぶりに発行するなど、特例的な制度を最大限活用することで何とか埋め合わせができる見通しとなりました。 今回の補正予算案では、新型コロナウイルス感染症対策に係る追加経費を予算化したほか、復旧・復興事業をはじめとする歳出予算の執行額や財源の確定見込みに伴う計数整理を行ったところであります。また、先ほど述べました減収補填債を最大限発行することにより、今後の感染症対策に備えて財政調整基金の残高を一定程度確保するなど、この先もしばらく続くと見込まれる厳しい財政運営を見据えながら編成したものであります。 なお、国の第三次補正予算に対応した経済対策関係などの補正予算案については、後日追加提案したいと考えております。 補正予算案の主な内容ですが、新型コロナウイルス感染症対策については、感染の拡大を受けて必要な病床及び軽症者宿泊療養施設の確保や医療機器の整備支援を行うなど、引き続き適切な医療提供体制の整備を進めてまいります。震災復興関連事業については、震災で親を亡くした子供達などのためにお寄せいただいた御厚意を東日本大震災みやぎこども育英基金に積み立てます。通常事業では、降雪量の増加に伴い除融雪経費を大幅に増やすほか病床機能の再編に関する支援経費を追加しております。また、県有施設及び設備の維持更新や長寿命化を計画的に進めるため、県庁舎等整備基金をはじめとした関係基金の残高を前年度末並みに維持することとしております。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は、一般会計で七百六十二億一千三百余万円の減額、総計で七百二十六億九千二百余万円の減額となります。財源としては、普通交付税三十四億七千五百余万円などを追加する一方、国庫支出金三百二十一億一千三百余万円、諸収入百三十一億三千五百余万円、繰入金百十九億七千三百余万円などを減額しております。 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆二千四百四十四億五千四百余万円、総計で一兆七千四十五億九千五百余万円となります。 予算外議案については、条例議案二十六件、条例外議案十五件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第八十五号議案及び議第百七号議案は、東日本大震災復興基金及び緊急雇用創出事業臨時特例基金の失効期日を延長しようとするもの、議第八十八号議案ないし議第百五号議案は、国が定める基準の改正に伴い、福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準等について所要の改正を行おうとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第百十一号議案は県道の路線変更について、議第百十四号議案及び議第百十六号議案ないし議第百十八号議案は工事委託及び工事請負契約の締結について、議第百二十二号議案は権利の放棄について、議第百二十三号議案ないし議第百二十五号議案は市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。 ○議長(石川光次郎君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨はお手元に配布のとおりであります。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条第二項の規定により、関係議案について県教育委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。……………………………………………………………………………………………                           宮人委第291号                          令和3年2月19日 宮城県議会議長  石川光次郎殿                         宮城県人事委員会                           委員長 千葉裕一             条例案に対する意見について 令和3年2月16日付け宮議第380号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。                   記 「議第23号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」に対する意見 この条例案は,県の公署が存在しない地域に在勤する職員の地域手当の取扱規定の追加等に伴い所要の改正を行うものであり,適当と認めます。 「議第24号議案 職員等の旅費に関する条例の一部を改正する条例」に対する意見 この条例案は,居住地等から出張する場合の旅費支給方法の見直しに伴い所要の改正を行うものであり,適当と認めます。 「議第25号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」に対する意見 この条例案は,船舶乗組手当の支給方法の見直し等に伴い所要の改正を行うものであり,適当と認めます。 「議第32号議案 義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例」に対する意見 この条例案は,公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等の特別措置法(昭和46年法律第77号)の改正に伴い,教育職員の業務量の適切な管理等の規定を追加するものであり,適当と認めます。……………………………………………………………………………………………                          総第295号                          令和3年2月18日 宮城県議会議長殿                         宮城県教育委員会                           教育長 伊東昭代           条例案に対する意見について(回答) 令和3年2月16日付け宮議第381号で聴取のありました下記条例案については,異議ありません。                   記 議第16号議案 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条第一項の規定に基づく職務権限の特例に関する条例…………………………………………………………………………………………… ○議長(石川光次郎君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第百、一般質問とを併せて行います。 質疑、質問は、順序に従い許します。三十七番村上智行君。    〔三十七番 村上智行君登壇〕 ◆三十七番(村上智行君) 皆さんおはようございます。自由民主党・県民会議の村上智行です。 質問に先立ちまして、さきの福島沖を震源とする地震で被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げますとともに、改めて東日本大震災により犠牲になった方々に哀悼の誠をささげ、被災された皆様にお見舞い申し上げます。 そして、今日まで復旧・復興に多くの国内外からの温かい御支援に改めて心から感謝申し上げます。 さて、村井知事の四期目は宮城県震災復興計画の発展期と重なり、東日本大震災発生以前の状態へ回復させる復旧にとどまらず、これからの県民生活や農林水産業、商工業の在り方、公共施設・防災施設の整備、配置などを抜本的に再構築することにより、将来を見据えた最適な基盤づくりを進めるとした創造的復興の総仕上げに取り組んできた四年間であります。 しかし、震災復興計画の期間終了後における地域コミュニティーの再生や心の復興、移転元地の利活用、震災伝承体制の構築、原発事故を起因とする農水産物の風評被害など積み残された課題の解決に向けた取組の推進とその財源確保、そして、更なる県勢の発展に向け我が県の将来の姿を見据えた新たな取組の検討など、令和元年東日本台風や新型コロナウイルス感染症といった不測の事態が生じる中で進めていかなければならない激動の四年間であり、十年間であったとも言えるでしょう。今後は時間の経過に伴って顕在化・深刻化する積み残された課題への対応はもちろんのこと、震災から十年を迎え宮城県の将来を見据えて、必要となる新・宮城の将来ビジョンに掲げる取組や新型コロナウイルス感染症対策をはじめとした目下に迫る課題の解決など、その全てが宮城県政の更なる発展に必要不可欠なものであるとの認識の下、通告に従い代表質問をいたします。 まず、東日本大震災についてですが、間もなく震災の発生から十年という大きな節目を迎えます。震災発生以降、知事は応急復旧や人命救助など震災直後の陣頭指揮だけではなく復興に命をかけるという強い決意の下、復旧にとどまらない創造的復興を掲げ三十七年ぶりとなる医学部の新設や仙台空港の民営化、広域防災拠点の整備など、従来の災害復旧の枠組みにとらわれない将来を見据えた新しい復旧・復興の形を模索・具現化してまいりました。そして、今年は昨年から延期を余儀なくされた東京オリンピック・パラリンピック大会や第四十回全国豊かな海づくり大会が予定されており、国内外に向けて震災から立ち上がった本県の姿を発信する絶好の機会となります。 さて、定例会冒頭において、村井知事はこうした復興への歩みに対する評価については後世に委ねたいとのことでしたが、震災から十年の節目を迎えるに当たり復興の歩みや後世に伝えておきたいことなど、これまでの震災復興についての知事の率直な気持ちをお聞かせください。 こうした創造的復興の中で、仙台空港については今年、二十四時間運用という新たなステージに向け大きな一歩を踏み出すことになりました。 また、平成二十三年五月定例会の私の一般質問で取り上げたのは、仙台空港を二十四時間供用の国際拠点空港として先を見据えた復興を図るべきと提案していただけに、今回の二十四時間化実現は心からうれしいことであります。そして、今回の二十四時間化のために尽力した名取・岩沼両市、仙台空港とともに歩んできた周辺住民の皆さん、そして県執行部をはじめとする関係者の皆さんに心から敬意を表します。 十年前を思い起こせば、東日本大震災の発災時、仙台空港はターミナルビル一階が完全に水没し、国際貨物棟が全焼するなど東北の空の玄関口が完全に機能不全に陥りました。一か月後には臨時便、九月には全面復旧し、平成二十八年には全国に先駆けて空港の民営化を果たし、路線数は倍増するとともに旅客数は毎年、過去最高を更新するなど目をみはる成果がありました。 また、今回、運用二十四時間化を成し遂げ国内外が注目する存在感のある国際空港になったと言えるでしょう。震災から十年の節目を迎え、まさに創造的復興の総仕上げに値する取組だと思いますが、改めて知事の所感について伺います。 この運用二十四時間化は、人口減少社会における交流人口拡大の切り札とも位置づけられて、東南アジア各国や東アジアや主要都市との就航も可能となり今後の観光・インバウンド振興への期待も大きく、現在コロナ禍による航空需要の低迷状況はあるものの、アフターコロナを見据え運用時間二十四時間化を観光・インバウンド施策に生かしていくべきと思いますが、今後の展望を伺います。 更に、地元では、「夜間の騒音への不安や懸念はあるが地域や県が発展するための必要性も理解できる。」、「相当に悩んだ末の選択だった。」との声が聞かれました。二十四時間化は地元の理解があって実現したもの。今後、騒音問題や空港と地域がともに発展できるよう特に空港周辺地域の方々と継続的な対話が大変重要だと思いますが、県としてどのように対応していくつもりか、伺います。 次に、新型コロナウイルス感染症について伺います。 国は、今年一月七日、一都三県に対して二回目の緊急事態宣言を発出、十三日には十一都府県に拡大し外出や移動の自粛、飲食店への時短要請、出勤者七割削減のテレワーク、イベントは五千人以下など経済活動に制約を課すものになっております。本県においても昨年十二月から感染拡大に歯止めをかけるべく、仙台市内において昨年末から二月八日まで飲食店等に三期にわたって時短要請を行い、その効果もあって現状においては新規感染者数が一桁台になるなど着実に減少しております。 しかし、飲食店等にとっては一年で最も忙しい年末年始と時短要請期間が重なり、売上げが消失し、要請が解除された今もお客さんが戻らず深刻な状況にあります。一連の時短要請の対象となっていない仙台市以外の県内の飲食店も外出自粛の影響により、一向に需要が戻らず支援を求める声が日に日に大きくなっており、私も長年慣れ親しんだ店舗からの窮状に応えられず胸を痛めております。 そして、宿泊施設等においては、宿泊者の利用率が九割近くを占めていたGoToトラベル、全国一斉停止の反動が大きく経営を直撃しております。国においてはGoToトラベルの地域限定や制度内容の変更も検討されておりますが、GoToキャンペーンなどが再開した折には、県支援策と併用するのではなく実施時期を考慮してほしいなどの意見も宮城県ホテル旅館生活衛生同業組合の皆さんから届いております。このように飲食店、宿泊事業者をはじめ関連する交通、物販分野などにも影響が広がり、県経済へも暗い影を落としております。このような状況を知事はどう受け止めているのか、また、当然ながら反転攻勢期には関係者との連携を密に前回に増して効果的な支援策が望まれており、今後の展開をどのように考えているのか、伺います。 また、先週から国内においても全国百か所の病院で医療従事者約四万人への先行接種が始まり、今後は医療従事者や高齢者などへの優先接種がなされ、新型コロナウイルス感染症の収束へ向けて大きな一歩を踏み出したものと期待されております。 しかし、県民の皆さんからは、ワクチンに関して期待の声だけでなく安全性、有効性や副反応などについて不安視する声もあり、それに加え大変残念なことでありますが、SNSを中心に根拠が明確ではなく不安をあおることや虚偽の情報が広がっているのも事実です。ワクチン接種に関する相談窓口や情報発信は一義的には国の責務ではありますが、県としても県民の不安を取り除くためにもワクチン接種の主体者である市町村自治体や宮城県医師会など医療関係団体と連携し、あらゆる世代の県民に向けて適時適切な情報発信が求められていると思いますが、今後県としての情報発信の在り方について改めて伺います。 次に、県財政について伺います。 今年は、村井知事が就任してから四期十六年の締めくくりの年でもあり、新たな県政運営の指針となる新・宮城の将来ビジョンのスタートの年でもあります。村井知事が就任した平成十七年度と直近の令和元年度の決算状況を基に、県の財政状況を比較してみますと、県政健全化比率については経常収支比率が悪化し財政の硬直化が常態化しているものの、財政力指数は〇・四八から〇・六三に、実質公債比率は一六・八%から一二・九%に改善しており、また県債残高については一兆三千六百五十三億円から一兆五千八億円と増加しているものの、地方交付税の振り替わりである臨時財政対策債を除く県債残高は一兆二千二百三十二億円から八千九百五十二億円まで減少するとともに、財政調整関係基金残高については百四十億円から四百八億円に増加しております。こうした数字を眺めてみますと、知事就任以来、東日本大震災という未曽有の災害がありながらも県財政は総じて好転しているとの印象を受けたところです。これは知事就任以来の一貫した方針である富県戦略や独自課税による税収の増加と知事の財政手腕によるものと考えますが、四期目の節目に当たりこれまでの県財政状況と財政運営に対する率直な感想・認識についてお伺いします。 令和三年度の当初予算を見てみますと、新型コロナウイルス感染症の影響を如実に受けており、県税収入は昨年度の二千九百三十二億円から百六十二億円減少し二千七百七十億円まで落ち込むとともに、地方譲与税についても三百九十六億円から百三十一億円減少し二百六十五億円まで落ち込んでおります。 一方、これを補うため臨時財政対策債は平成二十五年当初予算以来八年ぶりに六百億円台まで増加し、例年百二十億円程度の財政調整関係基金の取崩し額は百五十億円まで増加しております。これに加え令和二年度の補正予算においては、平成二十二年度以来十年ぶりとなる減収補填債を計上するなど、これまで比較的安定していた県財政について暗雲が立ち込めているのではないかとの印象を受けたところであります。 令和三年度当初予算については、今後十年の県政の方向を示す新・宮城の将来ビジョンへの対応や今後五年間の第二期復興・創生期間における復興事業へのきめ細やかな対応、国土強靱化の推進など、様々な県政の課題解決に向けた予算措置をコロナ禍の中で行わなければならないという例年にない大変な予算編成になったと思いますが、苦心の末、編成した来年度当初予算の基本的な考え方や期待される効果、財源対策などについて伺います。 さて、新たに策定された財政運営戦略においては、持続可能性に十分に配慮した財政運営の実現と国の復興・創生期間における復興事業の着実な推進、新・宮城の将来ビジョンに掲げる取組への着実な予算措置の両立が目標として掲げられました。新型コロナウイルス感染症により地域社会のみならず、県財政においても大きなマイナスの影響を受ける中、新たな戦略に掲げる二つの目標を達成し得るのか大変危惧しているところでありますが、持続可能な財政運営を新・宮城の将来ビジョンに掲げる取組や復興事業の着実な推進の両立について、その実現可能性と実現に向けた意気込みについて伺います。 昨年は県美術館と県民会館の再編統合問題が県議会をはじめ大いに議論を呼びました。美術館については、その文化的・芸術的価値に配慮し現地存続・大規模改修を進めるとの方針となりました。この問題では美術館建物の文化・芸術的な価値を背景に、建物の取壊しが既定路線となりかねない県民会館との統合の可否が議論の中心となっていたように感じておりました。少子高齢化の進展により地域社会の人口減少が見込まれており、県民サービスについても維持するべきか縮小するべきかなどを真剣に考えていく必要がある中、県有施設においても単純に建て替えるべきなのか、他の施設と統合すべきなのか、立地条件をどこにするかなど特定の施設に限定した議論ではなく、今後の県有施設の老朽化対策の大きな方向性についても大所高所から、より議論がなされるべきだったのではないかと感じているところです。今後十年間で一千億円とも言われる県有施設の老朽化対策については、人口減少の見通しや人口構造の変化、施設そのものに対するニーズを的確に把握・検証した上で施設の規模や新たに必要となる機能、ランニングコストなどについて熟慮を重ねながら建て替え、再編統合、廃止など最適な答えを導き出す必要があります。 また、県庁舎等整備基金をはじめとした老朽化対策のための基金などを活用しながら、将来を見据え適切に財源手当を行うことも必要と考えますが、老朽化した県有施設の今後の整備の在り方・考え方とその財源確保策について見解を伺います。 次に、農業振興について伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響による消費減退は米どころ宮城の稲作にも大きな影響を与えております。令和二年産の主食用米については、人口減少などによる需要減と相まって深刻な在庫過剰に直面しております。このため令和三年産に向けては、全国で最大規模の六・七万ヘクタールに上り、平年作ベースの生産量に換算すると三十六万トンものの作付転換が必要な状況であり、これが実現できなければ在庫の増加によって需給バランスが崩れ、平成二十六年産米のような米価の下落につながるのではないかと懸念されております。そのような中、県農業再生協議会は昨年十一月、令和三年産主食用米の生産の目安を昨年産の作付実績より約二千ヘクタール削減の六万二千五百三十八ヘクタールと設定いたしました。これは過去最大の減産幅ではありますが、本県の令和三年産主食用米の生産の目安は国で必要とする削減率に至っておらず、価格などに影響が出るのではないかと懸念されますが、県としての認識を伺います。 そして、過去最大規模の作付転換を円滑に実施できるよう、国では従来の転作作物への支援策である水田活用の直接支払交付金に加え、今年度の第三次補正予算で水田リノベーション事業などの追加の支援策を措置しております。そして令和三年度予算においては、都道府県が転作作物を生産する農業者を独自に支援する事業を行う場合に同額を追加支援する都道府県連携型助成を創設し、転作作物を生産する農業者が主食用米を生産した場合と遜色のない所得を確保可能なものになっております。県としても令和三年産の大規模な転作を達成するため、国の都道府県連携型助成を活用し農業者が安心して取り組める独自の支援策が必要と考えますが、県としての取組を伺います。 また、来年度は新たに策定される第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画と連携したみやぎ園芸特産振興戦略プランも併せてスタートいたします。この戦略プランでは、本県園芸の目指すべき姿について先進技術を駆使した全国トップレベルの施設園芸、担い手を核とした収益性の高い大規模露地園芸を掲げ、園芸産出額を三百三十三億円から五年後の令和七年には五百億円、そして令和十二年には六百二十億円、売上げ五千万円の先進的園芸経営体数も八十七経営体から百四十経営体と産出額、経営体数も非常に高い目標値を掲げており、これまでにはない一歩踏み込んだ県の積極的な姿勢を強く感じる計画として評価をしております。 しかし、どんなにすばらしい計画であっても実効性が伴っていなければ絵に描いた餅になってしまいます。今後も目標を達成するためには、水田フル活用、産地形成、販売先の開拓などあらゆる分野でのレベルアップが必要です。そのためには、今後は生産振興に加え園芸品目の価値を高め販売力強化を図るなど、これまでにはない取組が行政サイドにも求められますが、どのように考えているのか、伺います。 また、園芸産出額目標の達成にかける村井知事の強い決意をお聞かせください。 次に、私学振興について伺います。 少子化が社会問題となる中、育児において大きな支出を占める教育の負担軽減は少子化問題の解決に向けた有効な手段の一つでもあり、保護者負担が大きくなる傾向にある私立学校に通う児童生徒を持つ家庭への支援は喫緊の課題と考えます。 また、高等学校等就学支援金については、年収五百九十万円未満までは年額三十九万六千円が支援されるのに対し、年収が五百九十万円を超えると十一万八千八百円に支援額が急激に下がってしまうため、多くの保護者から所得制限の緩和等を求める声が聞かれます。そして昨年から猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症拡大の長期化は、保護者世帯にも大きな影響をもたらし経済的な理由により就学機会が奪われかねないなど深刻な状況が続いております。そのような状況を考慮し支援策を打ち出す県もあり、その一つである静岡県などはこれまでも就学支援金を独自に上乗せしておりましたが、来年度は七百五十万円未満まで所得制限を拡大し、実に私立校全生徒の六二%が県独自支援金の対象となっております。 一方、本県においても私学振興は、今年度私立高校入学金軽減補助などにより保護者の負担軽減がなされており一定の評価をするところであります。 しかし、来年度は就学支援金制度の所得制限が五百九十万円から六百二十万円まで拡大され支援金の独自加算が行われますが、今回の拡大によりどの程度の生徒が対象になると想定しているのか、伺います。 また、コロナ感染症の影響も長期間に及ぶことが予想され所得制限引上げの支援策が必要と考えますが、本県の就学支援金に対しての考えを伺います。 次に、私立学校施設の耐震改修について伺います。 全国の私立学校施設を対象とした令和二年度私立学校施設の耐震改修状況調査によると、本県の耐震化率は九二・八%であり全国でちょうど真ん中の二十四位となっておりますが、東日本大震災を経験した本県においては学校施設耐震化率一〇〇%を一刻も早く実現し、児童生徒の安全をより確かなものにしなければなりません。ほとんどの都道府県は、県の耐震補強工事、耐震診断、耐震改築への補助に対し独自の上乗せ補助を行い、耐震化率一〇〇%に向け推進しております。本県においても各種の補助制度の導入が必要と考えますが、今後の見通しを伺います。 次に、地域建設業について伺います。 震災発生直後には危険を顧みず、昼夜を問わず被災箇所などの応急復旧を行い、その後も地域の復旧・復興に向けたインフラの再構築に献身的に取り組んできた地域建設業は、宮城の復旧・復興を進める大きな原動力の一つであったものと認識しております。そして、もとより地域建設業は地域の雇用を支え地方創生でも積極的に役割を果たすことが期待されている産業でもあります。震災前、地域建設業の業績は建設市場の大幅な縮小により、経常利益率がマイナスを計上するなど大変厳しい経営状況でありました。この間、県工事の建設投資額は、平成十年度の約二千五百三十億円から平成十九年度には約七百四十億円と十年間で七割も減少しております。その後、震災からの復旧・復興工事で一気に増加した建設投資額は平成二十五年度に約七千二百億円でピークを迎え、地域建設業は復興関連工事の受注増加を背景にその業績を大きく改善させ今日に至っております。そして、この機会を捉え明日の担い手を確保するために長時間労働の是正や給与などの処遇改善に取り組み、ICTの活用や新技術の導入で生産性向上を図るなど鋭意働き方改革を進めているところですが、復興関連工事の終了に伴い震災前の水準まで一気に縮小していけば働き方改革への取組を後退せざるを得ず、それどころかハードランディングによる倒産など最悪の事態を引き起こしかねません。こうした中、昨年十二月に防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策が閣議決定されたことは、本県における国土強靱化への取組が一層推進されるという期待が高まるとともに、建設投資額が一定規模確保できるという点で大変喜ばしいことであります。事業規模は五年でおおむね十五兆円、現行の三か年緊急対策から事業期間や規模を大きく拡充し、公共事業関係費の通常分を継続したまま対策の所要額が別枠で上積みされるということであります。国では既に初年度分を国費約二兆円、事業費ベースで約三兆円を令和二年度第三次補正予算で措置しております。今回の五か年加速化対策の特徴は、例えば治水事業ではこれまで単体の河川で進めていたような河川掘削や堤防強化だけではなく、流域全体であらゆる関係者が連携して行う流域治水や高規格道路のミッシングリンク解消や四車線化、インフラの老朽化対策などの新たな事業メニューが盛り込まれたところであります。このところ激甚化・大規模化をしている自然災害や県有施設への老朽化への対策などはいずれも本県の喫緊の課題でありますので、復興のハード事業が落ち着きつつあるこのタイミングで国土強靱化関連予算を最大限活用し、災害から県民の命と財産を守るため重点的かつ集中的に実施すべきと考えます。 あわせて、復興最優先のためにこれまで抑制されてきた通常予算を元に戻しながら、ポスト復興においても一定規模の建設投資額を堅持していくことが必要と考えますが、知事の御所見を伺います。 また、地域建設業は今、大きな転換点を迎えています。生産年齢人口が減少し建設業就業者の高齢化が一層進行している中で、将来の担い手確保は地域建設業が生き残るための絶対的な必要条件であり、一方で、i-Constructionの活用とデジタルトラスフォーメーションの推進などによって生産性向上を図り、従来の産業構造や就業構造を変えていくことも必要な取組として今後の重要な課題となっております。地域建設業は東日本大震災からの復旧・復興に加え、平成二十七年関東・東北豪雨、令和元年東日本台風など豪雨被害からの早期復旧や社会基盤の整備及び維持管理、更には家畜伝染病の発生時における防疫の対応など県政の発展と安全・安心な県民生活を支えています。県では現在、第三期みやぎ建設産業振興プランを策定中ですが、プランの中間案ではこのような地域建設業を将来にわたって維持・発展させていくために、効果的、体系的に支援していくこととしております。地域建設業が抱える課題解決のために今後とも県の手厚い支援が必要であります。建設産業振興にかける知事の思いをお聞かせください。 次に、みやぎ型管理運営方式について伺います。 水道事業や下水道事業は、少子化などの人口減少の影響を大きく受けることによりその使用量が減少の一途をたどるため、本県のみならず全国的に見ても収益減収が見込まれております。今後は様々な設備、管路などの更新時期も迫り、このままでは水道料金の大幅な上昇は避けられず、県が実施する水道用水供給事業経営は厳しさを増すばかりであります。そのような背景から平成二十八年度以降、公開の場で外部有識者などによる検討会を重ね、平成二十九年度には導入可能性調査と資産調査を実施し事業概要書を取りまとめ、平成三十年十二月改正水道法成立後に政策財政会議を開催して、県としてみやぎ型管理運営方式の導入の意思決定をしております。議会においても平成二十九年二月定例会から四年間にわたって代表質問、一般質問及び予算特別委員会において数多くの議論を重ねております。そして、現在は交渉権者選定の最終審査書類となる企画提案書が三グループから提出されておりますが、昨日、一グループに絞られたみたいでありますが、その削減額や企画内容はどのようなものだったのか、お示しください。 また、水道事業は代替性のない社会資本であることから、削減額はもちろんですが、水質や災害時の対応など県民の安全・安心は担保された提案となっているのか、伺います。 言うまでもなく、水道事業は県民や企業にとって最も身近な社会資本であり、県民の中にはスケジュールが拙速であるとの意見や民間事業者が運営権を取得して水道事業を運営することに不安を感じている方もいらっしゃることから、事業導入には安心感を持ってもらうために、事業説明会を開催するなど県民や市町村の理解を得ることが今後も重要であると考えますが、今後の情報提供の在り方について伺います。 また、水道事業の将来にわたる安定経営に向けて令和四年度からの事業導入を確実にするためには、議会提案のスケジュールを明確に提示すべきものと考えますが、見解を伺います。 最後に、みやぎ型管理運営方式では、運営権者は自らの提案に基づき民間の創意工夫により効果的・効率的な事業運営に取り組むことになっておりますが、運営権者である特別目的会社、いわゆるSPCの予算・決算は県の公営企業会計とは別に区分されることになります。現行制度では県民の代表である議会に対して水道事業の経営状況を決算において毎年報告されていますが、みやぎ型管理運営方式導入後は運営権者の経営状況について議会への定期報告を実施すべきと考えますが、どのような方針を持っているのか、伺います。 最後に、地球温暖化対策について伺います。 近年の自然災害の頻発化・激甚化の要因にも挙げられる地球温暖化への対応についてですが、二〇二〇年以降、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定では世界共通の長期目標として、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して二度より十分に低く保つとともに一・五度に抑える努力を追求することを目標としており、さきのレポートでは、そのために世界の二酸化炭素排出量を二〇一〇年の水準と比較して二〇三〇年度までに四五%削減し、二〇五〇年度前後に正味ゼロにしなければならないということであります。 このような中、各国でも大きな動きが見られます。アメリカ合衆国のバイデン大統領は、就任後早速離脱したパリ協定に復帰するための大統領署名を行いました。また、中国やEUも既に温室効果ガスの削減目標を引き上げることを表明しております。 一方、我が国でも昨年十月の菅内閣総理大臣の所信表明演説において、二〇五〇年度までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル宣言を行いました。政府はこれまで二〇三〇年に二〇一三年度比で二六%の削減、二〇五〇年度までに八〇%の削減という目標を掲げていた中で、このようなチャレンジングな目標を表明したことは国際社会への潮流に呼応した動きであると受け止められております。政府は昨年末に菅政権が掲げる二〇五〇年カーボンニュートラルへの挑戦を経済と環境の好循環につなげるための産業政策として、二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定したほか、地球温暖化対策推進法や地球温暖化対策計画の改正作業に着手するなど、より実効性の高い温暖化対策に向けて大きく踏み出しました。 また、国内でも本県を含む二百五十以上の自治体が二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロを表明するなど、このような国内外の動向を踏まえ本県として地球温暖化対策に取り組む知事の決意を伺います。 我が県議会においても昨年十二月、再生可能エネルギー・脱炭素調査特別委員会が設置され、再生可能エネルギーの導入促進や脱炭素化に向けた課題及び諸施策についての検討が始まりました。執行部による現状報告では、東日本大震災以降、復興需要に伴い温室効果ガスの排出量が増加に転じ、その後もあまり低減していないとのことです。平成三十年度に策定された県の地球温暖化対策実行計画では、二〇三〇年の目標値として三一%の削減目標という意欲的な目標を掲げておりますが、国が目指す二〇五〇年ゼロの目標達成のためには、更に高い削減目標を掲げるべきであり具体的にどのように取り組むのか、知事の御所見を伺います。 更に、地球温暖化対策には、二酸化炭素の排出抑制を進めると同時に二酸化炭素の吸収源対策に取り組むことが必要です。自然界では植物が光合成によって二酸化炭素を取り込んで有機物を合成し、幹を太くし、枝葉を伸ばして成長していきます。二酸化炭素の吸収のみならず森林の持つ多面的機能を維持するためには、間伐や造林などの適正な森林管理が不可欠です。 また、自然界における二酸化炭素の循環を考慮すると、陸上以外にも海中の森である藻場の維持・拡大としてブルーカーボンにも注目すべきです。これら森林や海洋における今後の取組についてどのように進めていくのか、最後にお伺いいたします。 以上、壇上から申し上げ、自由民主党・県民会議を代表しての質問を終了させていただきます。 御清聴誠にありがとうございました。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 村上智行議員の代表質問にお答えいたします。 大綱一点、これからの県政展望についての御質問にお答えいたします。 初めに、これまでの震災復興への取組等に対する率直な所感についてのお尋ねにお答えいたします。 多くの貴い命が失われた東日本大震災から間もなく十年を迎えます。改めて亡くなられた方々に深く哀悼の意を表します。 これまで復興に命をかけるという強い決意の下、県民の皆様とともに復旧・復興に全力で取り組んでまいりました。この間、国内外からたくさんの温かい御支援をいただき復興の大きな支えとなりました。心より感謝申し上げます。 これまでの取組でインフラの復旧などのハード整備はおおむね完了いたしましたが、被災者の心のケアや産業・なりわいの再生などについては継続的な取組が必要と考えており、引き続き被災者の皆様の思いを受け止めながら復興の完遂に向けて取り組む決意を新たにしております。 また、同じ悲しみを繰り返さないよう震災の記憶や教訓を後世に伝えるとともに、国内外に広く発信していくことは我が県が果たすべき責務であると考えており、市町村や民間団体の皆様と連携しながら取り組んでまいります。 次に、仙台空港の運用時間二十四時間化についての御質問にお答えいたします。 東日本大震災での壊滅的な被害から宮城・東北の復興を果たすためには、東北の空の玄関口である仙台空港を最大限に活用する必要があると考え、創造的復興の一つとして全国に先駆けて空港民営化を成し遂げ、運用時間の二十四時間化についても果敢に取り組んでまいりました。このたびの二十四時間化の実現は、仙台空港の利便性や存在感を飛躍的に高め交流人口の拡大や地場産品の海外販路の新規開拓などを促進し、宮城・東北の発展に大きく寄与するものと確信しております。現在、新型コロナウイルス感染症の影響により航空業界は大変厳しい状況にありますが、県といたしましては、仙台国際空港株式会社や地元自治体・経済界との連携を強め、二十四時間化された仙台空港を最大限に生かし、コロナ収束後の早期の経済回復や今後の人口減少社会を見据えた宮城・東北の持続的な発展に全力で取り組んでまいります。 次に、仙台空港の運用時間二十四時間化の観光やインバウンド施策への活用についての御質問にお答えいたします。 運用時間の二十四時間化によってゲートウエーとしての利便性が向上し、ビジネス客も含めてこれまで以上に多くの方が東北・宮城を訪れるようになり、観光消費も増大するものと期待しております。県といたしましては、新型コロナウイルス感染症収束後を見据え、直行便の就航都市や新規就航が見込める地域に対して戦略的なプロモーションなどを実施するとともに、旅行者の様々なニーズに合わせた魅力ある旅行商品の造成促進に取り組むなど、観光・インバウンド施策の推進に当たり運用時間の二十四時間化を最大限に活用してまいります。 次に、住民の方々との継続的な対話についての御質問にお答えいたします。 運用時間の延長は地元の御理解が何よりも重要であることから、これまで延べ六十七回にわたる意見交換を重ねるとともに、各段階における諸課題について仙台空港四者会議で名取・岩沼両市長と忌憚のない話合いを行ってまいりました。こうした取組を重ねる中で夜間の航空機騒音に対する不安や懸念の声もいただいたことから、地元の御意見を基に航空機騒音対策の充実を図ってまいりました。今後も地元の方々との対話を継続し、仮に予見できなかった課題が生じた場合には改めて協議の場を設けその解決に努めてまいります。県といたしましては、運用時間の二十四時間化は、空港周辺地域のお住まいの方々の御理解なしには実現できなかったものであることを肝に銘じ、騒音対策はもとより地域の発展についても両市及び仙台国際空港株式会社と連携し、しっかりと取り組んでまいります。 次に、時短要請等による影響及び経済回復に向けた効果的な支援策についての御質問にお答えいたします。 時短要請やGoToキャンペーンの一時停止等の影響により、県内経済は飲食、宿泊業を中心に大変厳しい状況にあると認識しており、事業者などから「個々の事業者の経営努力では乗り越えられない。」、「多数のキャンセルが発生しておりいまだ客足が戻っていない。」といった切実な声を私自身も伺っております。県といたしましては、新型コロナウイルス感染症対応事業者支援市町村事業補助金を活用し、市町村と連携しながら観光関連をはじめとした事業者支援を効果的に実施してまいります。 また、裾野の広い観光産業の需要喚起に向け、県独自の宿泊割引キャンペーン実施に要する経費五億五千万円を今議会に追加提案することにいたしました。 開始時期は感染状況などを慎重に見極めて判断いたしますが、今年九月までの間、東北六県及び新潟県在住の方を対象に一人当たり旅行代金の二分の一、最大五千円を約十万人泊分補助することとし、そのうち半分程度を県民枠として設定したいと考えております。県といたしましては、市町村や関係団体等としっかり連携しながら観光関連をはじめ落ち込んだ県内経済の早期回復に全力で取り組んでまいります。 次に、市町村や医師会などと連携した適時適切なワクチン情報の発信の在り方についての御質問にお答えいたします。 県民がワクチンの接種について適切に判断し、安心して受けることができるようワクチンの有効性や安全性、副反応の情報等を速やかに把握できるようにすることは大変重要であります。このため、県では国に対してワクチン接種に関する具体的な情報を積極的に周知・広報するよう要望しております。県といたしましては、国から示された情報について、これまでも市町村や医師会など医療関係団体などへ速やかに周知してきたところでありますが、今後も関係団体と一層連携するとともに県ホームページなどにより広く県民への適時適切な情報の発信に努めてまいります。 次に、これまでの財政状況と財政運営についての御質問にお答えいたします。 私が知事に就任した平成十七年当時の県財政を振り返ってみますと、それ以前に借り入れた債務の返済が重くのしかかり何をするにも自由がきかない、まさに手かせ足かせをはめられたような状況でありました。以来、職員とともに時には痛みを伴う事務事業の見直しを断行するとともに、みやぎ発展税などの独自財源も最大限活用しながら富県宮城の取組を果敢に進めてまいりました。この間には、リーマンショックや東日本大震災、新型コロナウイルス感染症など気持ちが折れそうになる場面に何度となく直面し、まさに山あり谷ありの険しい道のりでありましたが、県民の皆様をはじめ議員各位の御理解と御協力の下、何とかここまで乗り越えてまいりました。私が県政をお預かりしてきた十五年間で好転している財政指標も見られますが、これは英知を結集して地道な取組を着実に続けてきた結果の現れであり、御協力くださった方々に深く感謝申し上げたいと思っております。 次に、来年度当初予算編成の基本的な考え方になどについての御質問にお答えいたします。 来年度当初予算は、「富県躍進!新ビジョンスタートアップ予算」と銘打ち、新・宮城の将来ビジョンの初年度にふさわしく、これまでの富県宮城の取組を更に前進させ元気に活躍する県民の皆様と躍動する宮城の姿を思い描きながら編成したものであります。同時に喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、東日本大震災からの復旧・復興についてソフト事業に軸足を移しながらその完遂を図ってまいります。今回の予算により、これまでの復旧・復興最優先から子育て支援や教育・福祉の充実、人材確保対策やデジタル改革など各分野における県政課題の解決にも腰を据えて取り組み、県民の皆様の御期待に少しでもお応えしてまいりたいと考えております。 その一方で、来年度も県財政への新型コロナウイルス感染症の影響が避けられず、県税収入の大幅な減少などから財源対策として財政調整基金から百五十億円もの取崩しを余儀なくされました。我が県の財政運営は今後も厳しさを増すものと覚悟せざるを得ず、なお一層気を引き締めてかじ取りに当たってまいりたいと思います。 次に、持続可能な財政運営と新ビジョンに掲げる取組や復興事業との両立についての御質問にお答えいたします。 今月策定したみやぎ財政運営戦略第三期の基本的な考え方は、まさに議員御指摘のとおり、持続可能な財政運営を目指すと同時に新ビジョンに掲げる取組や復興事業に予算を重点配分し、その両立を図ることであります。新たな戦略にはこれを実現するための具体策を盛り込んだところであり、令和四年度以降もこれまでと同様に地方一般財源が確保されれば、実質公債費比率と将来負担比率を安定的に推移させるとともに、県債残高の適正管理に努めることによって両立は十分可能であると考えております。戦略に掲げた取組は当たり前のものばかりで、いわゆる特効薬はありません。仕事に対する職員一人一人の日頃の問題意識と改善の着実な積み重ねこそが大事であり、私と全職員が一体となって常に意識を共有することにより財政運営と政策推進の両立はもとより、双方の取組効果を更に引き上げてまいりたいと考えております。 次に、県有施設の整備の在り方などについての御質問にお答えいたします。 県では、平成二十八年七月に公共施設等総合管理方針を策定し、施設の更新や管理に当たっては予防・保全の考え方を取り入れ、計画的な修繕による長寿命化や施設の統廃合など総合的に進めるとともに、費用全体の縮減を図っていくこととしております。現在、この管理方針に基づき施設ごとに整備の方向性を定める個別計画を策定しているところであり、今後、その結果を踏まえ具体的な改修等について検討を進めてまいります。 財源については、今後十年間の老朽化対策に要する費用が一千億円を超えると見込まれることから、国の補助金や交付税措置のある県債を積極的に活用するとともに、総合管理方針で定めたとおり県庁舎等整備基金など関係基金の残高の確保に努めてまいりたいと思います。 次に、我が県の令和三年産主食用米の減産幅についての御質問にお答えいたします。 国内の米の消費が年々減少している中、新型コロナウイルス感染症の拡大による外食の需要減少などの影響も加わり全国的に米の在庫が増加し、農業者からは米価への影響を危惧する声も出ており需要に応じた生産がより重要になっております。宮城県農業再生協議会では昨年十一月、国の米の需要見通しを基にJAグループの事前契約数量を考慮して我が県の今年産主食用米の生産の目安を算定し、昨年産の作付実績より面積ベースで三%減の六万二千五百三十八ヘクタールとしました。県といたしましては、この生産の目安に即して主食用米の作付を確実に減少させ、需要に応じた生産を行うことが重要であると考えております。 次に、稲作からの大規模な転作に向けた支援策についての御質問にお答えいたします。 我が県の今年産主食用米の生産の目安は、昨年産の作付面積から約二千ヘクタールの減少となり生産の目安の設定以降最大の減産が必要となります。主食用米の大幅な減産を推進するため、国の水田活用の直接支払交付金などによる転作作物への支援に加え、作付転換すると主食用米に戻りにくい高収益な園芸作物への転換の取組に対し県独自の支援策を講じることとしております。県といたしましては、これらの国及び県の事業を組み合わせて農業者が転作を行っても主食用米と遜色のない所得を確保できるよう支援し、生産の目安の確実な達成に向けて取り組んでまいりたいと思います。 次に、園芸産出額目標の達成についての御質問にお答えいたします。 主食用米の需要減少が進む中、我が県の農業・農村の維持・発展のためには需要があり収益性の高い園芸生産の大幅な拡大が必要であることから、第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画では県の園芸産出額を倍増する目標を掲げております。この目標の実現に向けて、みやぎ園芸特産振興戦略プランを策定し品目別、地域別に実効性のある具体的な振興方策を定めることとしております。園芸産出額の倍増という高い目標を達成するためプランではこれまでの取組を加速させることに加え、新たに産地と食品加工業者との連携による園芸サプライチェーンを構築し、販路の拡大、付加価値向上を図るなどの取組を展開することとしております。 更に、プランが着実に実行されるよう来年度の園芸振興予算を大幅に拡充するとともに、組織についても園芸振興室から園芸推進課に再編し推進体制を強化することとしております。県といたしましては、生産者や実需者、関係機関と連携し、園芸産出額の目標達成に向け総力を挙げてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。 次に、私立高等学校等就学支援費についての御質問にお答えいたします。 現行の私立高校生への就学支援については、年収約五百九十万円未満の世帯を対象に年額三十九万六千円を支給し授業料が実質無償化されておりますが、年収約五百九十万円以上九百十万円未満の世帯に対する支援は、公立高校授業料相当額である十一万八千八百円となっております。このことから入学金軽減補助といった対策も講じてまいりましたが、保護者の一層の負担軽減を図るため来年度から年収約五百九十万円以上六百二十万円未満の世帯に対して、県単独の上乗せを行い合計二十三万七千六百円を支給することとし、対象となる生徒数は五百人程度を想定しております。御指摘のありました修学支援の更なる拡充については、国の動向を注視しつつ他県の状況や今後の財政状況等を勘案しながらできる限りの努力をしてまいりたいと思います。 次に、私立学校施設の耐震化に係る補助制度についての御質問にお答えいたします。 今年度に実施した私立学校施設の耐震化調査においては、対象となった百十一棟のうち耐震診断未実施のものが七棟、耐震性の低いものが一棟ありました。県では、それらの施設を所有する学校法人に対し使用状況や今後の活用方策を伺った上で、早期に耐震診断または耐震化を行うよう働きかけているところであります。 現行の耐震化に係る補助については、国の制度を活用し体育館や講堂のつり天井などの非構造部材の耐震対策へ県単独補助を実施しているところでありますが、校舎の耐震補強や改修等への県単独補助につきましては、当該学校法人の需要動向を確認しながらその必要性も含めて検討してまいりたいと考えております。 次に、国土強靱化への取組と復興後の建設投資額についての御質問にお答えいたします。 県では、これまで東日本大震災や令和元年東日本台風からの復旧・復興事業に加え、国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策事業を活用し道路改築や河川堤防のかさ上げ、河道の堆積土砂撤去のほか、防災重点ため池における安全対策や治山施設の整備など災害に強い県土づくりに積極的に取り組んでまいりました。復興事業は最終段階を迎えておりますが、今後も頻発化・激甚化する自然災害や県有施設の老朽化等への対応は、引き続き重点的に取り組むべき課題であると認識しております。こうした中、今般、国では国土強靱化の加速化を図るため、これまでの三か年緊急対策を大きく拡充した防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を打ち出したところであります。県といたしましては、現在策定中の第二期宮城県国土強靱化地域計画に基づき、国の五か年加速化対策事業を最大限活用しながら、県土の更なる強靱化に向け取組を進めてまいります。 あわせて、人口減少や少子高齢化をはじめとした地域社会を取り巻く諸課題にも対応するため、震災復興期間終了後においても引き続き必要な公共事業予算を確保し、未来につなぐ社会資本整備に取り組んでまいりたいと思います。 次に、建設産業の振興についての御質問にお答えいたします。 地域建設業は、社会資本の整備や維持管理をはじめ東日本大震災の復旧・復興や近年の激甚化・頻発化する自然災害からの復旧、更には家畜伝染病発生時における防疫対策対応など県土の発展と安全で安心な県民生活を支える上で、その果たす役割は今後ますます重要になるものと認識しております。 一方で、震災復興期間終了後の建設投資額の大幅な減少、人口減少・少子高齢化に伴う深刻な担い手不足、デジタル化への対応など建設産業を取り巻く環境は厳しさを増しております。そのような環境に対応していくため、現在、県では仮称第三期みやぎ建設産業振興プランの策定を進めております。本プランでは、週休二日制の普及拡大などの働き方改革による担い手確保・育成、施工時期の平準化やICTの活用拡大による現場の生産性の向上、経営基盤の強化に向けた専門講座や相談対応による経営の安定・強化、更には社会資本の維持管理や災害対応の拡充を図る地域力の強化の四つを柱として目標値を設定しながら着実に進めることとしております。県といたしましては、これまで以上に関係団体と連携しながら、地域の守り手として宮城の県土づくりを担う地域建設業が将来にわたり維持・発展できるよう積極的に支援してまいります。 次に、地球温暖化対策の取組についての御質問にお答えいたします。 地球温暖化の主な原因である二酸化炭素の排出を実質ゼロにする脱炭素社会の実現は、人類の生存基盤である豊かな自然環境を次世代に引き継いでいくための世界的な政策課題であります。我が県では、令和元年十二月に二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロを国に先んじて表明したほか、今議会に提案している第四期環境基本計画においても長期目標として掲げ、地球温暖化対策を一層推進していくこととしております。この長期目標は環境への負荷を抑制することのみならず、社会経済を変革し、生産性を向上させ、環境と経済の好循環を生み出すことにより達成されるものであると認識しております。二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロの高い目標の下、県民、事業者など地域社会を構成する全ての主体と連携した地球温暖化対策に全力で取り組んでまいります。 次に、温室効果ガス排出削減の目標設定と今後の取組についての御質問にお答えいたします。 国においては、先月、今年十一月に開催予定の第二十六回気候変動枠組条約締約国会議までに、二〇三〇年における意欲的な削減目標を表明することを宣言したほか、現在、地球温暖化対策の見直しを行っているところであります。県といたしましては、国における動向を見極めながら二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロの長期目標も見据え、現行の削減目標を更に高い目標へ見直してまいります。 この目標の達成に向けて、具体的には建築物の省エネルギー化のほか木質バイオマスや地中熱など地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入促進、燃料電池自動車の導入支援など、水素エネルギーの普及拡大や技術開発支援による脱炭素型ビジネスモデルの推進などの取組を一層強化し、二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロの実現につなげてまいりたいと考えております。 次に、森林や海洋における吸収源対策としての今後の取組についての御質問にお答えいたします。 地球温暖化対策を推進する上で、二酸化炭素の排出削減と同時に吸収源対策も強化していくことが重要であると認識しております。二酸化炭素の吸収源は、現在、その大部分を森林吸収源対策が担っており、県土の約六割を占める森林を適切に整備し健全に成長させることが重要であります。このため、間伐や再造林などの森林整備や木材利用拡大などの取組を一層強化し、森林における二酸化炭素吸収量の確保と吸収能力の維持・向上に努めてまいります。 また、海藻類の二酸化炭素の吸収に着目したブルーカーボン生態系も新たな吸収源として注目されております。現在、国において吸収源対策として評価できるよう検討が進められており、県では昨年策定した藻場ビジョンに基づきブルーカーボンに資する藻場の面積を倍増させるべく様々な取組を行っております。今後も吸収源対策としての役割もしっかりと担えるよう環境と調和した持続可能な水産業・林業の確立に努めてまいりたいと思います。 私からは、以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 公営企業管理者櫻井雅之君。    〔公営企業管理者 櫻井雅之君登壇〕 ◎公営企業管理者(櫻井雅之君) 大綱一点、みやぎ型管理運営方式についての御質問のうち、企業グループからの企画提案書の内容等についてのお尋ねにお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式における最終審査書類となる企画提案書については、今年一月に三企業グループから提出があり、その内容を確認したところ県が設定した約二百億円の削減額を達成しているだけでなく、それぞれ民間ならではの創意工夫が盛り込まれた提案となっております。水道三事業は代替性のない社会資本であることから、みやぎ型管理運営方式を担う運営権者には削減額のみならず、水質管理はもちろん組織体制、財務状況及び危機管理等について厳しい要求水準を設定しております。現在、事業に精通した専門家で構成するPFI検討委員会において、要求水準が全て満足されていることを確認するとともに、それぞれの独自の提案等について経営の安定性、効率性や導入技術の先進性、実現可能性等の観点から厳正な審査が行われております。このようなプロセスを踏まえながら、長期安定経営が可能な我が県にとって最もふさわしい企業グループが今年度中に選定されるものと考えております。 次に、県民への情報提供と議案の提案時期についての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式の導入に当たっては、県民への正確な情報提供が重要であると認識しており、これまでシンポジウムや事業説明会などを開催するとともにホームページや県政だよりによる広報も行っており、幅広い周知に努めてきたところであります。現在、公平・公正な審査に影響を与えることのないよう応募者の名称や企画提案書の内容の公表は控えておりますが、PFI検討委員会による審査が予定どおり進捗し今年度末に優先交渉権者が選定されれば、全ての応募者の企業名や提案内容について公表した後、令和三年六月議会に運営権設定議案を提案することとしております。県といたしましては、令和四年度からのみやぎ型管理運営方式の円滑な導入に向けて、引き続き事業説明会の開催など県民への説明責任を果たしながら着実に取り組んでまいります。 次に、運営権者の経営状況を議会に報告すべきとの御質問にお答えいたします。 水道三事業は、県民生活と企業の経済活動に密接に関わる大変重要な社会資本であることから、県民の代表である県議会に対して定期的に報告しながら事業を進める必要があると認識しております。このため、県といたしましては、運営権者の財務状況や水質のモニタリング等について毎年議会に報告することを予定しており、令和三年六月議会に運営権設定議案に併せて議会報告に関する条例についても提案することとしております。 以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 三十七番村上智行君。 ◆三十七番(村上智行君) ありがとうございました。あれから十年ということで本当に特別な年になるのではないのかと思っております。まだまだ完遂したところばかりではありません。私も昨日、千年希望の丘から仙台空港の東側のほうを見渡してまいりました。空き地があり活用されているところはまだまだまだら模様になっております。そういった現実もあるということをしっかりと受け止めながら、これから震災復興の新たなるステージに入ってまいりますが、そういった積み残された課題というのは本当にこれは県の力だけではなかなかできないところがあります。市町村だけでもできないところがあります。震災伝承についてもこれから大変大きな課題になってくると思っております。県内には震災伝承の第三分類と言われる二十一か所があるのですが、そのうち十七か所を回ってまいりました。今度石巻市に開園する祈念公園が三月十一日に間に合わないという、これは本当に残念なことであり、その中核施設がしっかりと機能を果たして震災伝承をこれから十年、二十年、三十年、五十年と我々が未来につなげていくことができるのかということをこれから本当に真剣に考えていかなくてはならないと思っておりますし、そのためには全ての力を傾注していかなくてはならないと思っております。そういった様々な課題、これからも出てくると思います。知事の任期は今年で終わりですが、まだまだ続いていくと思いますが、その辺りも踏まえながらいま一度お答え願いたいと思います。
    ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 御指摘のとおりだと受け止めております。十年というのは大きな節目でありますが、これで全て完結したわけではなくてまだまだやるべきことは残っているだろうと思います。ただ今までと違うのは、国の財政的な大きな支援が決してあるわけではなくて、自分たちで立ち上がって自立しながら復興を進めていかなければいけない、被災者に寄り添っていかなければならないということです。限られた財源ですから県の力だけでは到底無理ですし、今お話しにあったように市町村やいろんな各種団体、県民の皆さん一人一人の御協力をいただきながら一歩一歩前に進めていきたいと思っております。 震災伝承、これは我々に課せられた大きな役割だと思っておりまして、もうあの時以降に生まれた子供は十歳になっているわけですから、ゼロ歳から十歳の子供は東日本大震災を知らないわけですので、そういうことから考えるとこれから生まれてくる子供たち、震災を知らない子供たちに同じような犠牲を出させないように、何かあったときにはどうやって命を守ればいいのか、どういう状況なのかということをしっかり伝えていくと。それは震災を経験した者として大きな責務であると思っておりますので、そちらにも注力してまいりたいと思っております。 ○議長(石川光次郎君) 三十七番村上智行君。 ◆三十七番(村上智行君) これから十年、二十年、全てが完結するか分かりませんが一つ一つこれからも進めていかなくてはならないと思っております。そういった中で沿岸部、今回農政部のほうで大変挑戦的なチャレンジングな目標を掲げて、三百三十三億円から六百億円と本当にできるのかということがちょっとあったものですから取り上げさせていただきました。沿岸部でまだまだ農地が全て利活用されているわけでありませんので、そういった大型露地栽培ですとか、これからの宮城の新しい農業の一ページをしっかりとつくっていかなくてはならないと思いますので、主食用米でございますので、村井知事もその辺、農業関係の答弁はもう少し目を通していただきながらこれから農業に力を入れていただいて、本県の基は農業だということをしっかりと肝に銘じながら進めていただきたいと思いますが、最後、お聞かせ願いたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 生きていく上で当然、米、主食用米は非常に重要でございますが、残念ながらそれを食べる人口がどんどん減ってくるということ、またコロナの影響もありますので、それだけで一番下のほうで農家の方たちが永続的に農業をするということは難しくなってきております。そういったことから早め早めに転換をしていく必要がある。そのためにも付加価値の高い、高い値段で売れる、そういった園芸作物を作るということが重要なことではないかと思っております。隣の山形県などは園芸作物をたくさん作って利益を上げておりますので、そういった隣の県で好例もありますので、そういったようなものを参考に宮城県はそういったものに積極的に今後取り組んでいきたいという、そういうことで農政部長がつくりました。非常にチャレンジングな目標ですが、これが絵に描いた餅とおっしゃいましたが、そうならないように、実現するように全力で取り組んでまいりたいと思っております。 ○議長(石川光次郎君) 三十七番村上智行君。 ◆三十七番(村上智行君) これからもしっかりと一つ一つ、「批判を恐れずに」と先ほど言っておりましたが、これまでも批判を恐れずにやってきた知事でありますので、新たなる取組にしっかりと取り組んでいただきたいと思いまして、それを述べまして質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(石川光次郎君) 暫時休憩いたします。    午前十一時二十四分休憩-----------------------------------    午後一時再開 ○議長(石川光次郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。四十二番坂下賢君。    〔四十二番 坂下 賢君登壇〕 ◆四十二番(坂下賢君) 今月十三日夜、福島県沖を震源とするマグニチュード七・一県内最大震度蔵王町で六強が観測される地震が発生しました。被災に遭われた方々には心からお見舞いを申し上げます。東日本大震災の発災から間もなく十年が経過し、復興の総仕上げに向け県民が一丸となり突き進もうとしている中での、非常に強い揺れに十年前を思い出し恐怖を感じた人は多かったと思います。県内の被害状況はまだ確定されておりませんが、二十二日の発表では負傷者が六十四人、住宅被害は山元町を中心に四百八十四戸が半壊及び一部損壊と判明し、被害総額は約百八億八千四百万円とされ、今後も増えていく見込みとなっております。 県として一日も早く被害状況を確認し、復旧・復興に着手し被災者にも寄り添うべきと思いますが、県の取組状況をお聞かせください。 県内での停電やJRなど交通機関については回復、東北新幹線も昨日全線開通、水道施設では水道管の破裂や水源への灯油流出などで山元町や塩竈市、多賀城市などで断水が発生、現在は復旧しておりますが大型地震や災害発生の際の生活インフラ再整備など、多くの市町村が抱える課題が浮き彫りとなりました。 県として市町村が抱える生活インフラの老朽化や巨額の費用が見込まれる今後の管の付け替えなど、どう市町村に寄り添い支援していかれるのか、お答えください。 津波に関しては石巻港で二十センチメートルほど確認されましたが、他地域で発生しなかったことは被害拡大を抑えることができたと考えられるものの、まだまだ余震があり予断を許さない状況が続いております。県では大地震に伴う津波や液状化予測に取り組むとして、新年度から第五次地震被害想定調査に着手し各種防災計画に盛り込む、県民の防災意識の向上に役立てる、などを通して、各種地震防災対策に資することを目的としております。東北大学を中心とした研究チームでは富岳やAIなど駆使し大地震発生時の津波発生予測を、発生時から規模や浸水地域、到達時間などを数秒ではじき出すシステムを開発し、二年後の実用化を目指しております。実現すれば短時間で避難ルート、避難場所を認識できることになり、ナビへの活用も検討しているとのことであります。ぜひ県でもこうしたシステムと連携・活用しながら大地震や津波対策に備えるべきと思いますが、取組についてお聞かせください。 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 昨年二月定例県議会における、私の世界的な感染拡大は当初の甘い見通しや危機感の欠如が大きな要因の一つでは、という質問に対し知事は、「中国国内の初動体制やWHOの緊急委員会による緊急事態宣言の判断についてはいろいろな見方があると思うが、我が国は緊急事態宣言を待たずに政府対策本部を設置し入院措置を可能にするなどの対策が講じられたのは評価できる。」と、答弁しております。しかしながら、実際は昨年一月後半から店頭から数か月間マスクや消毒液、衛生用品などが消え、不足し、なかなか手に入らない、ようやくマスク不足が解消されたと思った忘れた頃にアベノマスクが郵送される、具合が悪くなり新型コロナウイルス感染症を疑って病院や保健所に連絡してもたらい回しにされ、なかなか診療や検査を受けることができない、などの話も散見されております。水際対策やいち早くマスクなど物資を確保した台湾やニュージーランドなどは、当初の封じ込めが功を奏し感染者の発生を抑え込んでいると言われております。 そこでまず伺いますが、昨年四月七日七都府県に緊急事態宣言が出され、同十六日に全国に範囲が拡大、我が県においても緊急事態宣言が行われ翌五月十四日に解除されており、感染拡大の第一波は五月から六月の間である程度乗り越えられたと見られておりますが、効果についてどのような検証をされているのでしょうか。 不要不急の外出を控える、県境をまたぐ移動を避ける、首都圏など感染拡大地域への行き来をしない、ソーシャルディスタンスを保つ、などにより一時的に感染者数は減少したものの、今日の爆発的な感染拡大につながる原因について知事はどう分析されているのか、お聞かせください。 また、感染予防について伺いますが、マスク着用や手洗い、消毒は必須ですが、当時マスクやうがい液、消毒液が不足していた中どのように予防策を県民に対して発信していたのでしょうか。県にマスクの在庫がない中、在庫を抱える市町村から回してもらうなどお粗末な対応もありましたが、なぜそのようなことになってしまったのでしょうか。 現在県ではマスクや衛生用品などの在庫を抱え、マスクで一千万枚以上確保されているとのことですが、また不測の事態が生じ物資の不足など起きた際、調達方法はどうなっているのでしょうか。現在の状況や体制についてお示しください。 次に、PCR検査の体制について伺います。 新型コロナウイルス感染症が我が国でも発生し始めた当初は、検査するまでに非常に時間や手間がかかったとする声も上げられており、昨年五月前半までは新型コロナウイルス感染が疑われる場合、帰国者・接触者相談センターや医療機関等に相談し、受診するまでの目安として風邪の症状や三十七・五度C以上の発熱が四日以上続く、強いだるさや倦怠感、息苦しさがある方、高齢者や糖尿病などの基礎疾患を持っている方、抗がん剤などを服用している方については二日間以上続いた場合、とされておりました。その後五月中盤より新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の議論を踏まえ、三十七・五度C以上の発熱が四日間以上などという目安は削除され、強い症状のある方や高齢者や基礎疾患を持っている重症化しやすい方などについてはすぐに相談となり、医師が個別に判断した上でPCR検査を受診することとなりました。 そもそも五月前半までの時点で、新型コロナ感染症の感染拡大を抑え込むことを目的としPCR検査実施を積極的に行うべきではなかったのか、それをしなかったことが感染者の早期発見及び早期治療を遅らせ、今日の爆発的な感染拡大につながる原因になったのではないかとした指摘もありますが、知事はどう考えているのか、お聞かせください。 また、現在の検査体制については、速やかに検査が行われているのかどうか、実態はどうなっているのでしょうか。 民間施設の更なる効果的な活用や連携により検査実施を促進すべきと思いますが、いかがでしょうか。 県の患者受入れ体制について伺います。 現在我が県では患者受入れ病床数が二百四十一床うち重症者用が二十二床となっており、感染者数も減少傾向で落ち着きを見せております。またホテルを借り上げているのが五百部屋、自宅療養者も十数名となっております。 このうち入院調整中の方や自宅待機の方への連絡及び状態管理の体制はどうなっているのでしょうか。 他都道府県において容体が急変し、入院調整中や自宅待機中の患者が死亡するなどの例が報告されており、無症状や軽症患者の体調や病状管理も重要ですが、その体制と新型コロナ感染症患者が救急搬送される場合の受入れ体制についてお示しください。 続いて、我が県のワクチン接種の体制について伺います。 ワクチン接種は万全とまでは言えないまでも、現在のコロナ蔓延に対する最も有効な感染拡大防止策としてその実施が待ち望まれております。日本でもアメリカの大手製薬会社ファイザー社ほか二社からワクチンの供給が決定しており、今月の中旬から医療従事者約四百万人に対する接種が始まっております。その後高齢者、心臓病や呼吸器の病気など基礎疾患のある人、高齢者施設に従事する人などに順に接種し、当初は四月以降に一般の人にも接種を開始し、二〇二一年前半までに全ての国民に供給できる数量の確保を目指すとしておりました。現在二〇二一年度中に三社計で三億一千四百万回分の供給予定になっていると聞いておりますが、我が県でも先行して国立病院機構仙台医療センター、東北労災病院、JCHO仙台病院及び仙台南病院の四病院で接種が開始しております。昨日、四月十二日から高齢者に接種する方針がようやく示されましたが、その後のスケジュールについて予定はどうなっているのでしょうか。 県内市町村への割り振りや医師会などと連携した人員や会場の確保、居住地外の職場での接種などの検討、また、アナフィラキシーなどアレルギーやショック症状が起きた場合の対応、自治体の事務作業を含めた費用負担などをしっかり国に求め、市町村と連携しながら県も積極的に関わっていくべきと考えますが、知事の考えをお聞かせください。 昨年からイギリスを皮切りとして南アフリカ共和国、ブラジルなど世界数十か国において、変異した新型コロナウイルスが確認されております。重症化リスクは従来のものとそう変わらないとのことですが、感染力は最大七〇%程度増えるとのことであり、当日首相の記者会見に同席した政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、変異ウイルスが国内で拡大すれば逼迫し機能不全に近い状況の医療体制が危機的状況になると述べております。既に一月末全ての外国人の新規入国を禁止するなどの措置が取られておりましたが、当面の間変異株流行国及び地域に対して期間を延長することになりました。既に埼玉県では職場での変異ウイルスによるクラスター発生が認められており、予断を許さない状況にあります。神奈川県では今月四日に南アフリカ由来の新型コロナウイルス変異種による陽性患者が発見されたことを受け、新型コロナウイルス感染症変異株対策プロジェクトを立ち上げ、保健所設置市とも連携して変異ウイルスの監視体制の強化、積極的疫学調査の徹底と調査範囲の拡大、変異ウイルスの患者を受け入れる医療機関体制の構築、変異株に対する正しい情報の周知などに取り組むとしております。 現在の我が県の新型コロナ感染症変異ウイルス対策についてはどのような取組をされているのでしょうか。その進行状況についてお示しください。 全国においてコロナの影響を含む昨年一年間での休廃業・解散した企業は約五万件であることが民間リサーチ会社の調査で示されており、調査を開始した二十年間で最高の件数となったことが発表されております。今年については更に増えるとの予測も立てられており、厳しい状況が続いていることを示唆しております。また、昨年から今年にかけて希望退職を募る大手家電販売やコンビニエンスストア、外食産業、アパレルや旅行業などの上場企業も相次いでおり、コロナ禍による企業収益の悪化とともに雇用情勢の悪化にも影響が及んでおります。厚生労働省によれば本年一月二十二日時点で見込みを含めて、新型コロナウイルス感染症に関連する解雇や雇い止めについて八万三千七百十三人だったと発表しました。業種別では製造業、飲食業、小売業、宿泊業と続き、それぞれが一万人以上となっております。また、東北の中では我が県が一千九百十人と最多であることが分かっております。事業者も四苦八苦しながらも雇用調整助成金など活用しながら、雇用維持に努めているところでありますが、本年一月の一都三県の緊急事態宣言においてSMBC日興証券の試算によれば、民間消費を中心に実質GDPが年間一兆九千億円程度減少し押し下げられ、失業者も増加するとしております。現在、十都府県まで拡大されており長期化した場合の経済損失の拡大と失業者増が懸念されております。昨年一年間ではコロナ禍により完全失業率が二・八%と、前年と比較して〇・四%増と大幅に悪化しており、パートやアルバイト女性については約九十万人が実質失業したことが野村総研の調査結果として公表されております。これまで非正規で働く労働者については、休業手当が会社都合でないなどを理由に不支給の事例が散見されております。特にシフト制などではその例が顕著となっており、非正規労働者の生活困窮や貧困化の要因となっております。政府でもこの問題を重視し特例を設けるなどして、企業が雇用助成金を使って休業補償することを可能としました。 県として、企業やパート、アルバイトなど非正規雇用労働者双方に対して制度運用をどう促し、周知・指導していくのでしょうか、お聞かせください。 コロナ禍で企業では社員の副業の容認と逆に受入れなども収入補填や意欲の向上、スキルアップなどの理由から容認する動きが出ております。日本経済団体連合会でもこうした動きを推奨しており、コロナ禍による新しい働き方や生活様式の変化が生じる一方で、働き過ぎや企業側の待遇引下げの理由にされるなどの懸念も指摘されております。また、厚生労働省においては、観光や飲食など特にコロナの影響を受けた業界から、別の業種や職種を目指す離職者や事業者を支援する取組が始まっております。国からの補助で、都道府県が離職者向けに職種転換を支援する事業、事業者向けに新分野進出などを支援する事業など、コロナ後を見据えた雇用促進策を打ち出しております。年間最大で二億二千五百万円を上限に、国が事業経費の九割を最大三年間補助する仕組みとなっております。更に政府の仲介サイト学校雇用シェアリンクで、コロナ禍に苦しむ企業の人材を、私立幼稚園から大学まで教員の負担軽減や一斉休校による授業の遅れを取り戻すための支援、キャリア教育の推進などに活用したい考えであります。 県としてこうした一連の動きにメリット、デメリットをしっかりと整理しながら、疲弊する事業者やコロナ離職者支援策について取り組むべきと考えますが、知事の考えをお示しください。 新型コロナウイルス感染症患者に対する誹謗中傷、差別が後を絶たないのは非常にゆゆしい問題であります。マスコミアンケートによれば、学校現場においてコロナがうつる、近づくな、など悪口を中心に生徒たちの差別的な発言があるほか、都市部から転入してきた児童をコロナと呼んだ、保護者が医療機関に勤務する児童に対し学校に来るなと言った、などの誹謗中傷があることが確認されております。また、職場においては新型コロナウイルスによる休職後に復帰した人が一人だけ別室に隔離された例や、医療や福祉の現場においても、病院や施設でコロナウイルス感染症患者発生の報を受け、濃厚接触者ではないスタッフが子供の学童保育や保育所の受入れを断られる、その配偶者が職場から出勤停止を命じられる、医療従事者や介護など福祉施設従事者がタクシーの乗車を断られる、また、SNS上においては感染者の氏名や居住地など個人情報や感染者が利用した店、感染者が働いている店など店名を書き込まれる、悪質な誹謗中傷やデマを拡散されたなどの例が相談センターに多数寄せられております。こうした現状を受け、兵庫県内の小中学校では新型コロナウイルスについて理解を求める授業が実施されております。保健や道徳の時間にウイルスの特性や感染予防法、感染不安が差別やいじめにつながる事例を伝えるほか、生徒や児童が主体的に学ぶ動きも出ているとのことであり、我が県においても対応が急がれております。 我が県の新型コロナウイルス感染症に対する学校や職場などにおける正しい知識の醸成と教育、医療や介護の現場などに従事する人たちに対する差別の解消、SNS上の誹謗中傷の根絶対策の構築に加え、悪質な書き込みをした者への厳重注意や強力な指導ができる仕組みづくりが急務であり、関係部署と連携を取りながら罰則を科すなどの早期の検討も必要と考えますが、知事の考えをお聞かせください。 東日本大震災クラスの大災害や近年多発している暴風雨や豪雨、台風などによる自然災害が発生した際の危機管理対策について伺います。 県では既に災害時の避難所では感染者がいる場合は、部屋を分け動線やトイレや洗面所など別に確保し、速やかに医療施設などに移動させるなどの措置が取られております。避難所は密閉・密集・密接の三密を避けるための広い施設が要求されております。現状でそれが難しい地域によっては日頃から分散避難ができるように、安全な地域にいる知人や友人、親戚などと互いに避難を受け入れることができるかどうかの相談、確認も必要と考えます。 県としてこうした取組について有用性を検討しながら推奨するなども必要と考えますが、いかがでしょうか。 ワクチン接種が進み、県内の状況もある程度落ち着きを取り戻してくれば、冷え込んだ県内経済や雇用、産業再生などに対して強力かつ大胆な取組が急務でありますが、知事のコロナ後の県内経済立て直し策についてどう進めていくお考えなのか、お披瀝ください。 次に、新・宮城の将来ビジョンについて伺います。 国勢調査の統計調査によると、我が県の人口の推移は平成十五年の二百三十七万一千人をピークに減少が続き、現在では最新の推計人口で令和三年一月一日現在の推計によれば二百二十九万一千人まで減少しております。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、令和二十七年、二〇四五年には百八十万九千人まで減少すると見込まれ、生産年齢人口及び年少人口が更に減少する一方で老年人口は増加し、同二十七年には高齢化率は四〇・三%に達すると見込まれております。新・宮城の将来ビジョンでは、目標人口として二〇六〇年に県人口百七十二万人とし、官民挙げた地方創生の取組として富県宮城を支える県内産業の持続的な成長促進、社会全体で支える宮城の子ども・子育て、誰もが安心していきいきと暮らせる地域社会づくり、強靱で自然と調和した県土づくりの四点を掲げております。我が県では少子高齢化社会が進んでいく中で、東日本大震災発災により震災前と比較すると県全体で五万五千人の人口減少が起きており、特に沿岸部においては著しく影響が生じております。最大の被災地石巻圏域では人口の流出に歯止めがかからず、この一年で石巻市一千八百十四人減、東松島市三百四十七人減、女川町百八十四人減、合計で二千三百四十五人減となっており深刻な状況が続いております。 知事は県内のこうした状況に対して危機感を持って対応すべきと思いますが、いかがでしょうか。 現在、県が取り組んでいる我が県への移住定住推進策について伺います。 県が行うみやぎ移住サポートセンターやみやぎIJUターン就職支援オフィスの取組では平成三十年度百三組、百三十四人、令和元年度九十七組、百十七人の我が県への移住者を創出するなど一定の成果を上げておりますが、市町村が行う空き家バンクの取組を連携強化させることで更なる効果が期待できると思いますが、いかがでしょうか。 移住支援金の支給については、東京二十三区内に五年以上居住または通勤者について我が県の選定した中小企業などに勤務または起業者に対して世帯百万円、単身六十万円支給するという事業ですが、テレワークやリモートワークなど要件を緩和することで効果が拡大すると思いますが、いかがでしょうか。 また、昨年七月補正で予算化されたサテライトオフィス設置推進事業ではコロナ禍にもかかわらず四市町に対して施設整備に補助、三事業者に家賃補助など高い実績を上げており取組の継続拡大をすべきと思いますが、いかがでしょうか。 県では首都圏でのPRイベントの開催、移住定住ガイドの活用をはじめハンドブックの配布、市町村に対する助成事業などそれぞれに展開しておりますが、コロナ禍の中なかなか対面による相談会の開催は難しくなっておりますが、先般開催した宮城まるごとオンライン移住フェアでは県内三十五市町村参加の下、二百名を超える参加があり盛況だったとの報告を受けておりますが、宮城県をPRし関心を持ってもらい成果につなげていくために、今後どの点に重点を置いて展開していこうとしているのか、お聞かせください。 新・宮城の将来ビジョンの政策推進の基本方向の二では、社会全体で支える宮城の子ども・子育てが挙げられており、子育て世代を支え、子供たちの健やかな成長や教育環境をつくることが記されております。国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、日本における晩婚化が進む原因として十八歳から二十四歳までの若い年齢層ではまだ若過ぎる、仕事・学業に打ち込みたい、まだ必要性を感じない、などが結婚しない理由に挙げられており、二十五歳から三十四歳の層では適当な相手に巡り会わないが最も多く、結婚をちゅうちょする方が多数見られる一方で、結婚資金が足りないなども各年齢層において一定数理由に挙げられております。このことからも結婚する意志を持っている人にはあと一歩背中を押してやる施策が必要と思いますが、いかがでしょうか。 また、子供を育てていく上で我が県として、他県と比較して平均を大きく下回っている市町村に対する乳幼児医療費の助成や私立学校に対する助成の県単独補助分上乗せなど、子育てや教育に優しい宮城をつくっていく必要を感じますが、いかがでしょうか。 また、子供の貧困に対する取組について伺います。 まず、子ども食堂に対する支援についてでありますが、現在のコロナ禍の中、休止せざるを得ない団体に対して再開に向け必要な衛生資材の購入や食料の配送、フードパントリーの開催などに対する支援を行っておりますが、運営資金や食料の調達、ボランティア募集、フードバンクとの連携など県として強力な取組が必要と思いますが、いかがでしょうか。 東日本大震災みやぎこども育英基金には、今定例会でも四億円ほどの寄附が寄せられ基金への積み増しが提案されており、今年度末残高は約七十六億円とのことですが、震災遺児はじめ震災以外の要因で遺児となった小中学生に対する奨学金や里親支援、みやぎ子どもの心のケアハウス運営支援、いじめ不登校対策にも使われております。我が県として基金やふるさと納税を活用した子供の貧困対策について、更なる取組が必要と考えますが、知事の考えをお聞かせください。 次に、宮城の水産業振興について伺います。 我が県を取り巻く水産業の現状は東日本大震災の発災からほぼ十年経過した現在において、水産業の振興に関する基本的な計画の第二期に掲げた漁業産出額七百七十七億円の目標に到達する、また水産加工品出荷額二千五百八十二億円もおおむね目標に到達するなど震災前の水準まで回復しており、復旧・復興が進んだとされております。一方で令和元年に気仙沼、石巻、塩釜、女川、志津川など主要五港における水揚げ額はサンマ、マグロ類、サケ、コウナゴ、イカなどの不漁により前年を大きく落ち込む結果となり、その傾向は今も続いております。市場や各浜を回り、関係者や漁業者から話を聞いてみると、サンマは一昨年より幾分回復したものの従来からすると半分以下、サケ、コウナゴに至っては全くの不漁、マグロ類についても横ばいから停滞、アワビやウニは半減、カキやノリはまずまずとの話でしたが、コロナの影響で動きが鈍いなど聞こえてくる話は深刻な話ばかりでした。原因として考えられるのは、地球温暖化による海水温の上昇に伴い従来の水産物の生態に変化が起きている、アラメなど藻場面積の半減による磯焼けでそれを餌とするアワビなど磯根資源の不振、乱獲、アジア諸国での漁業進出による水産資源の枯渇などいろいろ考えられます。県では計画の第三期を新年度からスタートさせ、我が県の水産業の持続と更なる発展を目指しているところであります。目標として漁業産出額では現状の海面漁業と養殖業を合わせた七百七十五億円を令和十二年には八百二十億円まで引き上げるとされております。海面漁業では、資源管理による資源の回復を見込んでおりますが、現在の仙台湾の沿岸及び世界三大漁場と言われる金華山沖で従来の冷水性の魚よりも南方系の魚種が多く見られております。例えばガザミは全国一の水揚げにまで実績を上げ、ブリなども史上最高の水揚げを上げております。また、タチウオやサワラなども水揚げ増となり、マイワシやサバ類も秋のシーズン本格化から春先まで長期化しております。こうした水揚げ魚種の変化にしっかりと対応できる体制が必要と思いますが、例えば八割と言われる沿岸漁業の漁業者は目の前の海にこれまであまりなじみのなかったタチウオやサバなどの魚種を捕獲しようにもそれに適した漁法に不慣れなことからみすみすと逃してしまうなど、水揚げ増の機会を逸している例が多数聞かれております。現状の漁場に合った魚種捕獲のため、例えば長崎県対馬のタチウオ漁で古くから使われる曳縄漁法などをはじめ、それに適した漁業法を調査研究し普及させる取組や、サワラなど扱いの少なかった地元水産加工業者において加工方式に不慣れな魚種の製造ライン変更に対する対応や取組など必要と思いますが、いかがでしょうか。 また、漁場再生のための宮城県藻場ビジョンについてでありますが、アワビなどの水産資源の回復、ブルーカーボン効果の推進、除去したウニの利活用などに向けた取組について、令和二年度より始まっておりますが現在の進捗状況についてお聞かせください。 平成三十年十二月に改正され昨年十二月に施行された改正漁業法について伺います。 改正の主な目的としては、新たな資源管理システムの構築として漁獲可能量--TACの決定や漁獲割当て--IQの設定、漁業許可制度の見直し、漁業権制度の見直し、漁村の活性化と多面的機能の発揮が掲げられ、その他として来月四日追加提案予定の海区漁業調整委員会委員の漁業者委員の公選を知事が議会の同意を得て任命する仕組みに見直す、密漁対策の罰則強化などが主な改正となっております。このうち漁業権制度の見直しについては我が県では既に特区により民間団体が参入しておりますが、改正法の趣旨は漁場が既に有効に使われている場合は漁業者に免許を与えることになっており、我が県の場合は現在使われていない漁場はないと認識されており、新たな団体などが参入する余地はないものと思いますが、それでよろしいでしょうか。知事の所感を伺います。 次に第四十回全国豊かな海づくり大会について伺います。 昨年秋開催の予定でしたが、新型コロナの影響で延期され、歓迎レセプションを中止するなど一部規模を縮小して、本年十月二日、三日に開催されることが決定し、現在準備が進められております。これに先立ち今月一日に県庁で行われた開催記念イベント、海づくり大会に向けてカウントダウン三・二・一・GO!では、子供たちが一枚一枚心を込めて折ったヒラメやホシガレイをかたどった魚の折り紙一万九千六百五十七枚を県民皆さんが一緒に貼り付け制作された大型モザイクアートが披瀝され、会場に豊かな彩りを添えております。現在、ギネスに世界一認定を申請中で間もなく朗報が届くことと思います。また、大会テーマソングの「海よ」が、作者の気仙沼市出身で在住のシンガーソングライター熊谷育美さんから情感を込め歌い上げられ、会場は感動のるつぼと化し、大会に向けた期待と一体感が一気に高まり会場内のボルテージが最高潮に達しました。開催テーマは「よみがえる 豊かな海を 輝く未来へ」とし、基本理念として水産資源の保護・管理、海・河川・森の環境保全、復興した宮城の水産物の消費拡大、水産業の振興を通して全国に復興した姿を発信するとされております。コロナ禍の中ではありますが、大会開催まであと八か月足らずとなり、県当局をはじめ関係者もラストスパートをかけておりますが、知事の大会成功に向けた決意と意気込みをお聞かせください。 以上で壇上からの私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 坂下賢議員の代表質問にお答えいたします。 大綱四点ございました。 まず大綱一点目、福島県沖地震の発生についての御質問にお答えいたします。 初めに地震被害への取組、現況についてのお尋ねにお答えいたします。 二月十三日の深夜に発生した福島県沖を震源とする地震で、県内では蔵王町で最大震度六強が観測され、人的被害や住家被害などが発生いたしました。被害を受けられました皆様に対し、改めて心からお見舞いを申し上げます。県では発災後直ちに災害対策本部を設置し、国、自衛隊、東北電力などの関係機関と連携の上、人的被害や住家被害、公共施設の被害等の情報を一元的に把握し、共有に努めてまいりました。今回の地震による被害については調査継続中ですが、二月二十二日現在人的被害では重軽傷者が六十四名、住家被害は半壊、一部半壊を合わせて四百八十四棟、被害額は漁港施設や港湾施設を中心に約百九億円となっております。また先週十九日には国に対して災害復旧事業や被災者支援のための財政支援等について要望を行ったところであります。今後も引き続き被害状況の把握に努めるとともに、被災者に寄り添いながら、復旧事業の早期着手を図ってまいります。 次に市町村が維持管理している生活インフラの老朽化対策についての御質問にお答えいたします。 近年頻発する大規模災害の発生に備え、最も重要な生活インフラの一つである水道施設・設備の耐震化や、老朽化対策等を計画的かつ早急に進めることは喫緊の課題であると認識しております。このため県では国の交付金の活用等を通じて、水道事業体が実施する耐震化事業等を支援してまいりましたが、基幹管路の耐震適合率は昨年度末で四七・二%であり、更なる事業の推進のため国に対し対象施設の拡大や採択要件の緩和等を求めてきたところであります。一方、今後の人口減少の進展等により水道料金による収入が激減する中で、施設の更新等に要する経費を賄うためには、抜本的な経営基盤の強化が必要であることから、経営統合も含めた水道事業体の広域連携も推進しているところであります。今後もこのような取組を通して、市町村に寄り添った支援を積極的に推進してまいります。 次に大地震発生時の津波発生予測を数秒で示すシステムの活用等についての御質問にお答えいたします。 東北大学を中心とした研究チームが開発・実用化を目指しているシステムは、地震発生時にAIを活用しリアルタイムで津波浸水予測等を行い、より安全な避難行動を支援するものと承知しております。県が来年度から行う第五次地震被害想定調査は、東北大学をはじめとする各方面の専門家に御指導、御助言を頂きながら県内に大規模な被害をもたらす地震を想定して、地震動、液状化、津波浸水等の分布範囲を予測するとともに、人的被害のほか、建物、ライフライン等様々な施設被害の予測を行い、減災目標の設定及び各種震災対策に資することを目的として実施するものであります。県といたしましては、まずは地震、津波に備えるという観点からしっかりと地震被害想定調査を進め各種震災対策に生かすとともに、御提案のありましたシステムの活用については専門家の御意見も伺いながら検討してまいりたいと思います。 次に大綱二点目、新型コロナウイルス感染症対策についての御質問にお答えいたします。 初めに第一波の効果検証についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年、全国的に感染が拡大し始めた二月以降、県主催イベントの開催を制限するとともに、私から県民の皆様に三密の回避や職場における感染の拡大防止、首都圏への外出自粛を呼びかけてまいりました。また、緊急事態宣言発令後には外出や催物の自粛要請、施設の使用停止要請を機動的に行ってまいりました。このことについて、県民や事業者の皆様に御理解と御協力を頂いたことで接触機会の低減が図られ、感染拡大を抑制できたものと評価をしております。 次に、今回の感染拡大の原因分析についての御質問にお答えいたします。 我が県でも昨年十一月から先月にかけて急激に感染が拡大したところであります。この要因としては接待を伴う飲食店や酒類を提供する飲食店、更には高齢者施設におけるクラスターが発生したこと、また、年末年始における帰省や恒例行事などの交流が多くなったことなどが影響したと分析をしているところであります。 次に、緊急事態宣言時における予防策についての御質問にお答えいたします。 昨年の緊急事態宣言時はマスクや消毒液などの感染対策物資が不足する状況でしたが、県としては物資の買占めや転売をしないよう県民に対して呼びかけるとともに、コールセンターに寄せられる相談に応じて、不安の解消に努めてきたところであります。その上で小まめな手洗いやせきエチケットの徹底など、物資なしでも実践できる感染症予防策についてホームページや県政だよりなどにより、県民へ発信したところであります。 次に、マスクを市町村から提供を受けた要因についての御質問にお答えいたします。 県では当時、新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大により全国的にマスクが品薄となり、供給に時間を要する状況であったことから、県内医療機関の診療体制を確保するため、市町が災害等のために備蓄していたマスク三十五万枚を一時的に借り上げ、県医師会を通じて医療機関等に配布いたしました。なお、これらは昨年六月までに全て返却したところであります。 次に、不測の事態により物資不足が生じた場合の調達方法・体制等についての御質問にお答えいたします。 県ではサージカルマスク一千万枚など当面の需要に応えられるだけの量の衛生資材の備蓄を行っており、医療機関等において物資不足が生じた場合は、直ちに緊急配布する体制を構築しております。緊急配布により、県の備蓄量が減少した場合は国や関係機関、地元企業等とも連携しながら全庁を挙げて衛生資材の備蓄量の確保に取り組むこととしております。 次に、感染拡大初期におけるPCR検査の実施についての御質問にお答えいたします。 県では昨年二月より国から示された新型コロナウイルス感染症について相談・受診の目安に基づき、県民からの健康相談に対応してまいりました。その後昨年五月にこの目安は専門家の意見を踏まえ改正され、強い症状がある場合は直ちに相談・検査することとされました。このような経緯も要因となって昨年五月以降は新規感染者数が大幅に減少したものと考えております。 次に、現在の検査体制と民間施設による検査実施の促進についての御質問にお答えいたします。 感染拡大防止を図る上では疑わしいと思われる方に対して迅速に検査を行い、感染の有無を把握していくことが重要であると考えており、医師の総合的判断や保健所の積極的疫学調査に基づき確実に検査を実施しております。また、検査数が増加した際には県医師会や民間検査機関と連携し速やかに検査を実施できるよう体制を構築しており、今後も適切に対応してまいります。 次に、調整中や自宅療養中の方との連絡体制などと無症状者・軽症患者の体調管理体制等についての御質問にお答えいたします。 入院・入所調整中や自宅療養中の方については毎日保健所が電話などで連絡を取るとともに、全ての自宅療養者にパルスオキシメーターを配付し、健康状態の確認を行っております。また、無症状者や軽症患者の方には原則宿泊施設で療養いただいておりますが、自宅療養中でも容体が急変し救急搬送が必要となった場合には、県の医療調整本部で速やかに入院調整を行う体制を構築しております。 次に、ワクチンの接種スケジュールについての御質問にお答えいたします。 宮城県への医療従事者向けワクチンの第一回目の供給については、来月第一週から第二週にかけて接種回数一万五千六百回分が届くことから、その後速やかに接種を開始できる見込みとなっております。また、その後高齢者向けワクチンの供給が決定した際には迅速に接種が進められるよう、現在市町村などと連携し接種体制整備を進めているところであります。 次に、ワクチン接種に向けた県の積極的な関与についての御質問にお答えいたします。 県ではワクチン接種の主体である市町村の支援と広域調整の役割を担うことになっており、郡市医師会などへの協力要請を行うとともに、地域関係者の協議などにも参画し接種体制整備に積極的に取り組んでおります。また、住民向けの専門的な相談窓口の設置や重篤な副反応に対応できる専門的な医療機関の整備に向けた準備を進めております。接種にかかる費用については国の補助金に上限額が設定されており、市町村から不安の声もあることから、安心して接種事務を進められるよう県としても全国知事会を通じて、自治体の費用負担が生じないよう要望しているところであります。 次に、変異ウイルス対策についての御質問にお答えいたします。 現在国の通知に基づき、疑わしい検体を国立感染症研究所に送付して遺伝子解析を行うとともに、県保健環境センターにおいても独自に変異株のスクリーニング検査を行っておりますが、今のところ県内での変異株への感染は確認されておりません。変異株については、感染力や重症化能力などの点で不明な部分もありますが、感染予防対策については従前と同様手洗いやせきエチケット等の徹底が大切であり、引き続き県民に呼びかけてまいります。 次に、企業及び労働者双方の休業に係る制度の周知についての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響による雇用調整として休業させられたものの、休業手当の支払いを受けることができなかった労働者は、自ら国に対して新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を申請することができます。県ではこれまで県内企業に対して、雇用維持に向けて雇用調整助成金等の周知を行うとともに、労働者の皆様に対しても県ホームページや県政だよりなど様々な手段により、休業手当や休業支援金等の周知を行ってきたところであります。引き続き国と連携し、これらの体制が適切に活用されるようしっかりと取り組んでまいります。 次に、様々な働き方に関する事業者や離職者への支援についての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症対策をきっかけに、副業や職種及び業種転換、教育現場での企業人材の活用など、新しい働き方に関する様々な取組が始まっております。こうした状況を踏まえ、県では宮城県プロフェッショナル人材戦略拠点や産業雇用安定センター等と連携し、県内企業の副業導入や職種及び業種転換等を支援しているところであります。また、学校雇用シェアリンクでは広く人材を確保するため、公立学校で勤務できる講師の募集情報を登録しているところであります。新しい働き方については、就業時間の増加等の懸念も指摘されておりますが、キャリア形成や就業希望の実現、必要なスキルを持った人材の確保など、労働者・企業双方にとって様々なメリットがあることからその活用について支援してまいりたいと考えております。 次に、差別解消や誹謗中傷の根絶に向けた罰則等の検討についての御質問にお答えいたします。 我が県では先月十三日に県内の行政、医療、福祉、経済、学校関係など二十八の団体の賛同の下に、「ストップ!コロナ差別」共同宣言を行い、関係団体が一丸となって正しい知識の普及啓発や差別の解消に取り組んでいるところであります。また、差別や誹謗中傷に関する電話相談窓口としてみやぎ新型コロナ人権相談ダイヤルを開設しており、重大な人権侵害や名誉毀損等についての相談があった場合は、法務局や県警察本部等の関係機関と連携し、インターネットへの書き込みの削除要請や犯罪としての立件などの対応を検討してまいります。 次に、平時における避難先との相互の相談、確認の有用性等についての御質問にお答えいたします。 災害発生時に、安全な場所にある親戚や知人の家に避難することは、避難所の三密を回避し、感染症対策の有効な手段の一つであると認識しており、昨年六月に作成した新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営ガイドラインにおいて、その旨を市町村に周知しているところであります。災害時に自らの判断で適切な避難を行うためには平時から自宅周辺のリスクや家族等の環境に合わせた避難を検討していくことが重要であります。県といたしましては、適切な避難行動について県広報紙への掲載をはじめ、様々な機会を捉え県民に対し周知してまいります。 次に、コロナ後の県内経済立て直し策についての御質問にお答えいたします。 県民及び県内事業者の皆様の営業時間短縮要請等への御協力もあり、県内における新規感染者数はここのところ低く抑えられておりますが、この状態を維持するためには今はしっかりと感染防止対策を行うことが何より重要であると考えております。一方で、時短要請や国のGoToキャンペーンの一時停止等の影響により、飲食、宿泊業だけではなく取引先などの関連事業者も含めて、県内事業者は極めて厳しい状況に置かれているものと認識しております。今後、市町村と連携しながら売上げの落ち込んだ事業者への支援を行うとともに、感染状況が落ち着きを取り戻した際にはコロナ後の新しい生活様式に対応した支援ニーズ等を適切に把握しつつ、地域での観光等の需要喚起や業態転換・デジタル化を含めた事業者の事業再構築支援など、冷え込んだ県内経済への立て直しのため、様々な施策に全力で取り組んでまいります。 次に大綱三点目、新・宮城の将来ビジョンについての御質問にお答えいたします。 初めに、人口減少の状況に危機感を持って対応すべきとのお尋ねにお答えいたします。 我が県の人口は平成十五年をピークに減少傾向が続いており、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、今後二十五年間で人口が約五十万人減少するとともに高齢化率も上昇していくと見込まれております。このような状況については私としても以前から強い危機感を持っており、これまでも人口減少社会を見据えた様々な施策を実施してまいりました。来年度から始まる新・宮城の将来ビジョンにおいては、社会全体で支える宮城の子ども・子育てを新たな柱に位置づけるとともに、移住定住の促進や関係人口の拡大にも力点を置くなど、今後本格化していく人口減少社会を強く意識した構成としております。新・宮城の将来ビジョンの推進に当たっては、県民、企業、NPO、大学、市町村など多様な主体と連携しながら、将来にわたって安心して暮らすことができる持続可能な未来の実現を目指して取り組んでまいります。 次に、みやぎ移住サポートセンター等と市町村が行う空き家バンク事業との連携についての御質問にお答えいたします。 移住を検討している方にとって住まいの確保は重要な課題であり、空き家バンク事業は移住定住の促進に向けた有効な取組であると認識しております。そのため県では、東京有楽町のみやぎ移住サポートセンターや移住専用サイトみやぎ移住ガイドなどを通じて、相談者に情報を提供し活用を促しているところであります。今後とも市町村と緊密に連携をいたしまして、各種移住支援策を有効に発信し、移住者の更なる増加につなげてまいります。 次に、移住支援金の支給要件緩和とサテライトオフィス設置推進事業の継続等についての御質問にお答えいたします。 移住支援金事業は移住先の地方公共団体が一定の要件を満たす移住者に対し支援する国の制度で、昨年十二月テレワークで業務を行う移住者等も対象にできるよう要件の緩和が図られたところであります。これにより更なる移住者の増加が期待されることから、現在運用開始に向けて準備を進めております。また、新型コロナウイルス感染拡大を契機として昨年八月から新たに導入したサテライトオフィス設置推進事業について、企業等の地方への関心の高まりを移住定住促進や地域活性化につなげられるよう、来年度支援内容の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、オンラインによる移住フェアを成果につなげていくために、今後重点を置くべき取組についての御質問にお答えいたします。 市町村が参加し今月開催した宮城まるごとオンライン移住フェアでは、全国から多数の申込みがあったほか座談会や事業所とのマッチングなど様々な場を提供することができ、オンラインによるイベントに手応えを感じる結果となりました。今後も今回のイベントで得られた経験を生かし、オンライン等の効果的な活用も含め、相談者のニーズに応じたきめ細やかな移住施策の推進に努めてまいります。 次に結婚支援についての御質問にお答えいたします。 適当な相手に巡り会わないことや資金不足を理由に、結婚の希望がかなわない未婚者も多い現状にあることから、それぞれの事情に応じた支援が重要であることを認識しております。県としては国の結婚新生活支援事業を活用し新居の家賃等を助成する市町村を引き続き支援するほか、質の高い雇用の創出により若い世代の経済基盤の安定を図ってまいります。また来年度新たにAIマッチングシステムを導入し、出会いの機会を増やすなど結婚支援に一層力を入れてまいります。 次に、子育てや教育に優しい県政についての御質問にお答えいたします。 乳幼児医療費助成については、平成二十九年度に入院と同様に通院も就学前までを対象とするよう制度拡充を図っており、一部自己負担金を課していないことや完全現物給付方式を採用していることなど、総合的に見ると全国的にも遜色のない制度となっております。また私立学校等への助成についても、来年度は幼稚園教員の人材確保支援の拡充をはじめ、高校の不登校生徒への支援や授業料軽減の上乗せを新たに実施することにしております。今後とも、安心して子育てができる環境の整備や教育の機会均等に向けて努めてまいります。 次に子ども食堂の再開支援についての御質問にお答えいたします。 今年度は衛生資材の購入や食料配送等への助成のほか、子ども食堂の立ち上げや活動継続に関する助言を行う相談窓口を設置するとともに、県内の活動団体のネットワークづくりを行う事業を実施してきております。来年度もこれらの地域支援を継続するとともに、新たに組織されたみやぎこども食堂ネットワークと連携し、寄附された食品の効率的な分配など、現場の声を聞きながら子ども食堂の再開に向けた支援を行ってまいりたいと思います。 次に、みやぎこども育英基金やふるさと納税を活用した子供の貧困対策についての御質問にお答えいたします。 子供の貧困対策についてみやぎこども育英基金の活用は予定しておりませんが、ふるさと納税については来年度から困難を抱える子供たちに対する支援を新たなメニューに加えるとともに、企業版ふるさと納税でも寄附を募っております。来年度はこうした寄附金を活用して、子ども食堂の立ち上げ経費の助成やイベントの開催など、新たな子供の貧困対策に取り組むことにいたしました。 次に大綱四点目、宮城の水産業振興についての御質問にお答えいたします。 初めに、水揚げ魚種の変化についての対応にお答えいたします。 暖水系魚種の増加など水揚げ魚種の変化への対応は重要と認識しております。今議会に提案している新しい水産基本計画において、資源の有効活用など収益性の高い漁業への転換を施策として掲げ、漁業許可制度の見直しや増加傾向にある魚種の高付加価値化などに取り組むことにしております。新たな漁法の導入についてはこれまでも漁業者、関係漁業団体などと意見交換を行っており、今後は他県の情報等も参考にしながら柔軟に対応してまいります。また、水揚げ量が増加している魚種の活用については水産技術総合センターによる商品開発等への技術支援や国の補助事業を活用した魚種転換に必要な加工機器の導入などへの支援を行ってまいります。 次に、藻場ビジョンの進捗状況についての御質問にお答えいたします。 藻場ビジョンは、近年減少している藻場の再生・保存を図るため今後十年間の対策をまとめた行動計画となるものであります。藻場の造成に当たってはソフト対策が重要となることから、現在県内十三地区において海藻の移植や食害の要因となるウニの除去などに取り組んでおります。また、除去したウニの有効活用は気仙沼水産試験場をはじめ、国や大学などと連携した身入りの改善試験が県内九地区で始まっております。更にブルーカーボンについては、二酸化炭素吸収源としての重要性を発信しており、今後は藻場造成によるブルーカーボン効果を検討してまいります。引き続き藻場ビジョンに基づき、漁場再生と磯根資源の回復に取り組んでまいります。 次に、改正漁業法における漁業権制度の見直しについての御質問にお答えいたします。 今般の見直しは漁場の有効活用を促進するために行われるものであり、既存の漁業権者が養殖漁場を適切かつ有効に活用している場合には、当該漁業権者に優先的に区画漁業権を免許することとされております。我が県では、平成三十年の漁業権免許切替えにおいて五百七十六件もの区画漁業権が県内全域に設定されており、未使用の漁場はなく、現在全ての漁場が有効に活用されていると認識しております。 次に、全国豊かな海づくり大会の成功に向けた決意と意気込みについての御質問にお答えいたします。 東日本大震災から十年となる今年、石巻市で開催される本大会においてはこれまでに寄せられた全国からの御支援に改めて感謝を申し上げ、復興が進んだ宮城の姿と本県水産業の明るい未来を表現・発信してまいりたいと考えております。具体的には式典において、若手漁業者による海づくりメッセージの表明や震災を乗り越え操業を再開した漁船のパレード、豊かな海を未来へつなぐ稚魚の放流などを行うほか、海洋プラスチックごみ対策への取組などSDGsの理念に基づく環境保全の大切さもしっかりとアピールしてまいります。県といたしましては、万全の感染症対策を講じながら安全な大会運営に努めるとともに大会開催を契機として、復興を遂げつつあるみやぎの豊かな海が将来にわたり継承されるよう取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 四十二番坂下賢君。 ◆四十二番(坂下賢君) 御答弁ありがとうございました。 水産の振興について聞いてまいりたいと思います。 まず、この改正漁業法において漁業権の付与についてなのですが、私はやはり後継者を育てるということが一番大事だと思っているのです。みやぎ漁師カレッジの受講生が実際に三十数名漁業に従事しているといったような実績も上がっております。たまたま昨日テレビのニュースを見ておりましたら、我が県の特区の状況等を特集しておりまして、この特区の民間企業で十三人漁師を採用したということだったのですが、現在四人しか残っていないと。それから、新入社員を三人採用したのですが全て退職したということで、いかに後継者の育成が難しいのかということが報じられておりました。加えて、知事は今使われてない漁場がないのでという話でありましたけれど、民間企業参入となりますとどうしても利益優先ということで、我が県でも他地区のものを流用したり漁協の解禁日前に出荷するとか、そういったこともありました。当初危惧された浜の秩序が守られるのかどうか、そういった不安がまだまだ解消されてないというように思いますし、これは慎重にすべきだと思いますし、私はとにかくこの後継者の育成というものを第一に心血を注いでいくべきだと思うのですが、お考えをお聞かせください。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 後継者を育成することが最も優先すること、当然のことだと思います。ただ、先ほども答弁したように今後二十五年間で宮城県は五十万人人口が減るということが国の研究結果から出ている、二百三十万人が百八十万人になると。その中で漁業に携わる方だけが、急激に就労者が増えるということはどうしても考えづらい。それに応じて漁業者の数も減っていく。また、今の漁師さん方の平均年齢はもう六十歳を超えておりまして、このままいくとあと十年、二十年すると平均年齢がもっと高くなってくる。六十五歳、七十歳になってしまうということを考えると、減る人数を補えるだけ新しい漁師さん方が増えてくれるか……。そう簡単にいかないということであります。したがって水産業復興特区、この漁業法の改正が私は一番いい方向だとは決して思いませんが、今後豊穣な海に入って養殖をしたり魚を捕ってくれる人がいなくなるということがあるとすれば、その際には民間の力も借りていくということは重要ではないか、そのきっかけをつくるということで特区を導入しました。そしてそれが国に認められて今回漁業法の改正につながったということであります。考えていることは坂下議員と全く同じことでございまして、後継者を育成するように、まずはそこを最優先にして努力してまいりたいと思っております。 ○議長(石川光次郎君) 四十二番坂下賢君。 ◆四十二番(坂下賢君) それから全国豊かな海づくり大会についてなのですが、成功することがこれまで復興を支えてくれた全国、全世界の人たちにも恩返しになると思います。知事はじめ執行部関係者の皆さん、開催に向けて大変努力していただいて、私も感謝したいと思います。そして知事の片腕として開催にこぎ着けた立て役者の一人でもあります小林部長からもこの大会成功に向けた思い、決意、これを最後にお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 水産林政部長小林徳光君。 ◎水産林政部長(小林徳光君) 私も三月で卒業しますので、今、決意と言われても非常につらいものがあるわけでございますが、これまで復興に向けて全国の皆様から頂いた御支援に対して心からの感謝の気持ちを伝えたいということと、テーマでもございます「よみがえる 豊かな海を 輝く未来へ」とあるように、よみがえった海を将来に向けてしっかりと伝承していきたいと。そのためにもブルーカーボンや海洋プラスチックなど、環境保全に向けた新たな取組というものもしっかりとやっていくということをチャレンジしていきたいと思いますし、併せて豊かな森があってこそ豊穣な海が保たれるということをこの大会を通じて発信すべく、これまで豊かな海づくり大会推進室を中心に部一丸となって取り組んできたところでございますので、先ほど知事から御答弁ございましたように、このコロナ対策、万全な対策を取って今年こそ十月二日に本当にすばらしい天気の中ですばらしい大会ができると期待をしておりますし、確信をしているところでございます。議員からもお話がございましたが、熊谷育美さんの大会イメージソング「海よ」はすばらしい歌なのですが、その歌詞の中に、優しさに触れるたびに温かさを知るたびにたくさんのありがとうを心にしるしましたという歌詞がございますが、まさにこの大会はそういう気持ちを伝えることが重要なのだと思っておりますので、この大会に参加するホスト側として、宮城県から参加する全ての人がそういう気持ちを持っていただければ必ず成功すると思いますので、引き続き議員の皆様の御支援も本当に頂けますようお願いを申し上げまして、私の決意と言いますか、何とも言えないのですが、思いとさせていただきたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 暫時休憩いたします。    午後二時十三分休憩-----------------------------------    午後二時四十分再開 ○議長(石川光次郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。十一番福島かずえ君。    〔十一番 福島かずえ君登壇〕 ◆十一番(福島かずえ君) 日本共産党宮城県会議員団の福島かずえです。会派を代表して質疑いたします。 初めに、十三日の福島県沖地震の被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。 新型コロナウイルス感染症を抑え込むためのPCR検査の抜本拡充とワクチン接種対策、コロナ禍の中で困っている人たちへの様々な支援策について伺います。 宮城県での新規感染者の発生件数はピーク時より減少しているものの、直近でも二桁台の日があり、まだまだ予断を許さず緊張感ある対策を県全体で推し進める必要があります。特に感染者が減少している今こそ、PCR検査を抜本拡充して感染を抑え込むべきです。 ようやく宮城県でも十九日の新型コロナウイルス感染症対策本部幹事会において、感染拡大地域内の高齢者施設では無症状者を含め職員や利用者を幅広く行政検査の対象とすること、感染拡大地域以外の高齢者福祉施設や介護サービス事業所で働く介護職員等に対しても希望すればPCR検査等を行う方針が示されました。これは一歩前進と評価いたします。 加えて、感染拡大地域以外の介護職員等へ行うPCR検査に係る二千円程度の初診料等も県が負担すること、クラスターが発生すれば途端に医療逼迫につながる医療機関も対象にすることを併せて求めます。いかがですか、伺います。 ワクチン接種が医療従事者から始まり、六十五歳以上の高齢者、一般と広がっていきます。接種を直接担う市町村でも国からの情報が度々変更されるので対応に苦慮しています。ワクチン接種の有効性や安全性、副反応のリスク、接種時期など様々な情報をできるだけ早く正確に自治体や医師会、国民へ提供できるように国に県としても求めるべきです。いかがですか。 また、県は国からの情報をできるだけ早く正確に発信すべきです。併せて伺います。 基礎疾患を抱えている人もできるだけ安心してワクチン接種ができるように、集団接種だけではなく、かかりつけ医での個別接種など住民が選択できる幅を増やすために市町村や医師会を県としても支援すべきです。 例えば、接種に係る事務作業が多いのに比べて手数料が低いので医療機関の負担が大きいという話を伺いました。医療機関での接種の場合の事務作業に対する費用負担の支援や副反応の説明など、ワクチン接種についてのQ&Aパンフレット作成、相談窓口の設置など市町村や医師会とも相談して県が対応すべきですが、お答えください。 ワクチン接種でも重要な鍵は医師や看護師などの医療スタッフ確保です。ワクチン接種を早期に順調に進めていくためにも、コロナ患者の受入れにかかわらず全ての医療機関への減収補填を行うよう国へ求めるとともに、県独自でも更なる支援を実行すべきです。いかがですか、伺います。 コロナ禍の下で困っている人が増えています。日本民主青年同盟宮城県委員会では、昨年九月から今年一月にかけて県内七か所で学生向けの食料支援や生活実態調査を行い百十三人の学生から回答を得ました。「アルバイト先が潰れて生活が苦しい。」、「オンライン授業で実習にも行けないのに学費がそのままなのは納得できない。」、「企業や病院の求人が減り就活が大変。」、「オンライン授業ばかりで友達ができない。」など切実な声ばかりです。それを基に、今月初め、県へ六項目の要望書を出しました。中でも、学生に学費や施設整備費の一部返還が実現できるよう宮城大学へ行った支援を県内の他大学等にも行うこと、契約したがコロナの影響で住んでいない期間の家賃補助を行うこと、静岡県で行ったような学生向けのアルバイトや会計年度任用職員としての採用などが強く求められています。この三項目について県として実施することを求めますが、知事、いかがでしょうか、伺います。 学生とともに真っ先に職を失ったのが非正規の女性労働者です。シングルマザーの家庭は深刻な生活苦に直面し、医療、介護、保育など社会に不可欠なエッセンシャルワーカーの劣悪な待遇が浮き彫りになり、女性の自殺率の大幅増など、コロナ禍の下、深刻な状況に女性が追い込まれています。低賃金で不安定な労働で女性を雇用の調整弁に使う差別的な政策を抜本的に改善し、正社員化や賃金差別の是正に踏み出す法の整備を国に求めるとともに、県としても地元企業に実効ある改善策を要請すべきですが、お答えください。 森元首相が、「女性が多い会議は長くかかる。」と発言し、国内外からの批判を浴び東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長を辞職しました。森元会長の発言はジェンダー平等に反し、二〇二〇東京大会が掲げる多様性と調和にも逆行するもので辞任は当然です。 日本のジェンダー平等指数は、世界百五十三か国中、百二十一位と圧倒的に遅れています。社会的・文化的に形成された性差を意味するジェンダーの平等を推進し、この遅れを取り戻すことが国内外から大きく求められています。今こそジェンダー平等を国政でも宮城県政でもあらゆる場面で進めていくことが必要ですが、知事はどのようにお考えでしょうか、伺います。 生活保護制度は、暮らしのセーフティーネットとしてもっと活用されるべきですが必要な世帯の二割にしか利用されていません。親族への扶養照会や車の保有など申請をためらわせる障害を取り除くことがコロナ禍の下で重要です。扶養照会については国会でも厚生労働大臣が義務ではないと答弁しています。宮城県でも親族への扶養照会はやめること、車の保有についても国の通知を生かし認める対応を窓口で徹底するよう知事に求めます。 また、困っている人たちに遠慮せず権利として生活保護申請を行うよう改めてメッセージを送ってください。併せて伺います。 仙台市内でも二人家族で家賃月額四万四千円という住宅扶助費の上限額では、健康的な住環境を確保できない、適当な物件が探せないという現実があります。家賃の上限額の引上げを国に要望するとともに、一定の世帯を対象に家賃補助制度を県として創設することを求めますが、いかがですか、伺います。 私の地元、若林区河原町でも三代続いたお料理屋さんが十二月いっぱいで廃業しました。あの勝山館も休業との報道です。国の三次補正を使った県の地域経済対策が今朝示されましたが十分とは言えません。中小・小規模事業者の皆さんは本当に今困っています。先日も大内真理議員が伺いましたが、持続化給付金の対象も拡大しての再支給を国に求めるとともに、県としても独自の給付金を事業規模に応じて行うことを求めます。お答えください。 県民会館建設は県民・利用者の声を聴き、仙台市との十分な協議が必要について伺います。 基本構想素案が一月に発表されました。しかし、どういう会館が県民から求められているのか、県民会館の建て替えを通じて宮城県の文化芸術をどのように振興、発展させていくのかという大事なこと、県民や利用者と練り上げていくという肝腎要の作業が抜け落ちたまま集約・複合化ありき、宮城野原移転ありきで構想が進んでいることを危惧するものです。 今回の質問に当たり、幾つかの団体、専門家、利用者から聞き取り調査を行いました。その中には、今の定禅寺通にある県民会館の利便性への高い評価や周辺環境も劇場の要素だという現在地への愛着、こだわりを持つ方が多いことを改めて感じました。 また、仙台医療センター跡地は、仙台市のハザードマップで地震や浸水被害などの危険予測がされており、長町-利府線断層帯の直近への移転を心配する声も少なくありませんでした。 新型コロナウイルスのパンデミックという歴史的な転換点の中にいて、従前の需要調査を前提にこのまま構想を進めることも疑問です。 集約・複合化ありき、宮城野原移転ありきではなく、今からでも県民・利用者の声をもっと聴きながら、宮城県の文化芸術づくりに思いを込めて県民会館建設計画をつくり直すべきですが、知事のお考えを伺います。 郡仙台市長が議会で「県民会館の跡地利活用について、市が主体的に検討する。村井嘉浩知事にも伝え、共に進めると確認した。」と答弁したそうです。県が仙台市と正式かつ継続的な協議を行うことは、仙台市が検討を進めている新ホールと県民会館の機能のすみ分けやまちづくりの整合性などを深めていくために欠かせない、とても重要なことです。郡市長とはどういう話をされたのか、知事に伺います。 県の有識者会議でも度々議論になっていたのが仙台市内に二千席のホールが本当に二つ必要なのかという点です。県が行った需要調査でもヒアリングを行ったプロモーターなど十三社のうち、二千席以上が二つ欲しいと回答したのは二社のみでした。ほかの十一社は二千席以上は一つでいいというものでした。それがどうして仙台市も県も、それぞれ二千席規模のホールを仙台市に整備しても施設の供給過剰となることは想定されにくいというまとめになったのか不思議です。仙台市内での二つの二千席規模のホールの必要性をもう一度検証するためにも仙台市と継続的な正式な協議を積極的に行い、それを県民に公開しながら県民会館づくりに生かすことを求めます。いかがですか、伺います。 緊急性、必要性がない仙台空港二十四時間化は撤回を、について伺います。 知事は名取市長、岩沼市長と二月十日に仙台空港の運用時間二十四時間化に関する覚書を交わしました。名取市、岩沼市から地域振興の要望書が県宛てに提出されたのはいずれも一月二十七日ですが、今議会には騒音対策に二億円、名取市、岩沼市にそれぞれ地域振興策として五億円ずつ一括交付、ほかに空港周辺の地域活性化に二千二百万円、合わせて十二億二千二百万円の予算が計上されました。あまりにも説明不足で拙速過ぎる知事の政治決断です。名取市や岩沼市では市民全体への説明も行わず、実際に騒音の被害及び影響を受ける住民からも合意や理解が示されたとは言い難い状況です。急遽招集した両議会の全員協議会で県が説明しただけで、議決もしていないのに同意を得たと強弁しています。こうした強引なやり方に住民から厳しい指摘があり、両市には覚書締結に反対、抗議する要望書が複数提出されています。そもそも仙台空港を二十四時間化する緊急性や必要性はどこにあるのでしょうか。 県は、三十年後に年間旅客六百万人、貨物五万トンを目指すと空港民営化を目指しました。旅客は何とか昨年度三百七十万人まで到達しましたが、貨物は成田空港への集中と就航機材の小型化で伸び悩み、僅か五千トンという実績です。コロナ禍の中で旅客も国際便の就航再開は見込めず、国内線も大幅に減少しています。果たして本当に需要があるのか、国へ運用延長を申請する具体的な就航便はもう決まっているのか、伺います。 今、知事が取り組むべきことは、コロナ収束のために最大限の力を注ぐこと、そして、コロナ禍の中で今困っている人たちを救うことです。お金と時間、人手があるなら、そのためにこそ使うべきです。 また、アフターコロナの観光戦略は、これまでのインバウンド頼みの呼び込み型から国内や地域内でお金が循環する戦略に見直す必要があります。住民への説明責任も果たさず、合意もない、緊急性や必要性もない仙台空港二十四時間化は撤回すべきです。知事のお考えを伺います。 大震災から十年、東日本台風から一年半、生活再建は道半ばについて伺います。 間もなく三・一一がやってきます。知事は一月四日の地元紙で「住まいの再建を優先してきた。」と語っており、見出しにもなっていました。 しかし、県営の災害公営住宅も県独自の住宅再建支援制度もつくっていないのに、どうして知事はそういうことが言えるのだろうかと私はとても不思議に思いました。 災害公営住宅入居者のうち約七割は政令月収八万円以下の特別家賃低減制度の対象です。この制度は管理開始十年間までとされましたが、その先の家賃をどうするのか大きな課題です。また、県内に千二百三十一世帯いる収入超過世帯の問題もますます深刻です。家賃低廉化事業のかさ上げ補助率が使用開始二十年間から十年間に短縮されることになり、その影響がどう家賃に反映されるのかも心配されています。住まいの再建を優先してきたと言うのなら、県が先頭に立ってこれらの三つの家賃問題を解決するために市町任せにしないで支援すべきです。どのように県として取り組んでいくのか、それぞれについてお答えください。 県は、この六年間継続して行ってきた災害公営住宅入居者の健康調査を今年度で打ち切ろうとしています。県が国に申請すれば被災者支援総合交付金として費用が一〇〇%交付され財源の心配はありません。仙台市や石巻市は県がやめるからといってやめるわけにはいかないと継続しようとしています。 また、仙台市、石巻市からは国、県へ継続を求める要望も出されています。 二〇二〇年四月時点で災害公営住宅の高齢化率は四十五%で、そのうち単身世帯は二九%に及び、しかも単身高齢世帯の割合は一年間で倍加しています。孤独死は昨年末で百九十六名にもなっています。新型コロナウイルスの影響で外部からの支援がストップし外出・交流の機会が長期間失われた状況では、健康状態の把握はなおさら重要な取組です。令和元年度は七市町で実施し、結果分析まで加えても八百四十万円弱で済みました。市町任せにしないで県が責任を持って継続して調査すべきです。いかがですか、お答えください。 被災者の個別生活支援やコミュニティー支援を行ってきた被災地域福祉推進事業は、幾つかの事業に細分化されて行われてきました。復興庁事業から厚生労働省の被災者支援総合交付金に財源が変わった二〇一六年度は、三事業を十四億四千万円で行っていたのが、二〇二〇年度は二事業で八億三千万円、二〇二一年度は見守り・相談支援の一事業のみで五億四千万円の予算計上です。担ってきた生活支援相談員も二〇二一年度は百四十五人から九十七人へ一気に三割以上も減らしています。県社会福祉協議会も専任職員を四人から二人減らし、事業費も一千万円以上も減額予定です。宮城県は、国の交付金がなくなることを前提に、今後五年間でこの見守りや相談支援事業を縮小し平時の市町の保健福祉業務に移行させようとしています。 しかし、被災者の高齢化とともに問題が多様化し、深刻なケースの増加が報告されており中長期の被災者支援が求められています。被災者の復興、生活再建に区切りはありません。国へ交付金の継続を求めるとともに、県としても被災者支援の要と言える見守りや相談事業を機械的に縮小することなく、必要な生活支援員を配置して被災者の生活支援を市町とともに継続することを知事に求めますが、いかがでしょうか、伺います。 東日本大震災の被災者生活再建支援金制度の加算支援金の申請を県は四月十日に締め切ろうとします。 しかし、仙台市が約二千世帯、石巻市千三百七十世帯、南三陸町二百五十世帯、気仙沼市や多賀城市、東松島市はそれぞれ百世帯、加えて女川町、塩竈市、七ヶ浜町の九自治体合わせて約四千世帯が資格はあるのにまだ未受給です。最後の一世帯まで支給できるよう申請期間を延長すべきですが、伺います。 令和元年東日本台風から一年半が過ぎました。この間、私は丸森町、大郷町粕川、大崎市鹿島台志田谷地を調査し、ハードの復旧も生活再建もまだまだこれからだと実感してきました。ハードの復旧では、特に丸森町の町管理道路・橋梁の二百四十八か所の工事着工率が二四・九%、完了率が〇・八%、町管理河川の百五十三か所の工事着工率二七・五%、完了率三・三%と深刻な事態です。技術系の職員不足が遅れの一因ということです。県も大変ですが丸森町への応援職員を新年度増やすことを求めますが、いかがですか。 被災者の住まいの再建、生活再建もこれからです。大崎市鹿島台志田谷地では、市が造成する宅地に住宅を自主再建するまで被災住宅を修理し家族五人で暮らそうとしていた世帯が、公費解体の締切りがこの三月末なので急遽市営住宅の三DK一戸に引っ越すことになったという話や、丸森町では、相続処理が遅れ、そのうち公費解体の申請が締め切られてしまったという話を聞きました。復旧工事の遅れや様々な事情を抱えて被災住宅の解体をすぐに行えない被災者の状況に応じて、公費解体の申請期間を柔軟に延長できるよう国に求めるべきです。いかがですか、伺います。 次に、十三日に起きた福島県沖地震の被害対策について伺います。 東日本大震災からの復興途上でまた大きな余震が起きて、コロナ禍もあり被災者の心は折れそうです。各自治体の罹災判定の申込みが開始されたばかりで住宅の被害状況は推移を見なければなりません。 二十日には日本共産党宮城県会議員団で山元町や亘理町を調査してきました。坂元駅周辺は支所も液状化の被害が出ており、住宅被害も大きく深刻です。亘理町でも県が復旧整備したばかりの圃場が液状化で今期は作付できないかもしれないそうです。今回の地震被害を重く捉えて、まず実態を丁寧に把握し調査することを求めます。 そして、それに応じて県として激甚災害や災害救助法などの対象にするよう国に求めていく姿勢が大事ですが、いかがお考えですか。 また、県が国の被災者生活再建支援制度と同等の支援策を要綱や条例をつくって行えば、国が財源を手当てすることになっています。ぜひ、県独自の生活再建、住宅再建の制度をつくることを求めますが、併せてお答えください。 四月から復興・危機管理部ができますが、新たに二つの仕事を位置づけて行うことを知事に提案いたします。 一つは、県内市町村での被災者台帳の作成、利用及び提供に関する支援です。 被災経験の少ない自治体職員は、被災者の援護業務に習熟しておらず受給資格がある被災者に対して制度案内が適切に行われないことや、被災者の所在、連絡先が共有されていないことで支援漏れが発生することがあります。そうした事態を防ぐために災害対策基本法が改正され、市町村へ被災者台帳の作成、共有、活用が求められています。丸森町では作成していますが、十分に活用されているとは言い難い状況です。また、大崎市や大郷町では作成されていません。宮城県内では十三自治体が既に整備済みです。十三日にも大きな余震がありました。自然災害はいつどこで発生しても不思議ではありません。未整備の自治体に整備を促し支援するとともに、整備後もその利用状況を把握し被災者の生活再建に役立つものにしていくために、情報の交流や充実のための支援を復興・危機管理部が担うべきです。お考えを伺います。 復興・危機管理部の二つ目の仕事として提案するのが災害ケースマネジメントです。 支援が必要と思われる人を訪問し、相談に応じながら適切な支援策を講じていく方法です。東日本大震災の在宅被災者にも高齢化が心配される令和元年東日本台風の被災地、丸森町や大郷町、大崎市鹿島台でも災害ケースマネジメントが必要です。県として取り組み被災市町を応援すべきです。知事のお考えを伺います。 情報を隠しながら進めている県上下水道民営化の中止と市町村水道広域化の問題点について伺います。 日本共産党宮城県会議員団は、二〇一七年五月に情報公開条例に基づき、みやぎ型管理運営方式の導入可能性調査業務とデューディリジェンス調査業務について、一切の資料の開示請求を行いました。 しかし、出てきた文書は四百九十七枚のうち三割を超える約百六十枚が全て真っ黒に塗り潰され、のり弁状態で何も分からないものでした。直ちに私たちは不服として審査請求しました。 二〇一九年二月には、新たにアドバイザリー業務の資料開示請求も行いました。この三つの文書は同年五月に開示されましたが、情報公開審査会の答申に反して刻みのり弁と言えるものでした。これでは公正で開かれた県政の発展につながらないと判断し、七月に再び不服申立てを情報公開審査会に行いました。今年一月八日に審査会から三つの文書について合計百十八か所開示すべきという答申が出ました。「情報公開条例の通りに公開しています。」という県当局の主張は審査会によって否定され、開示処分の全面的なやり直しという結果となりました。答申から六十日以内の対応が求められています。当局はこれまでのことを反省し、原則公開の立場で隠してきた情報を開示すべきです。いかがですか、伺います。 このように情報が隠されたまま水道民営化は進められてきました。現在も三つの企業グループから優先交渉権者の選定がPFI検討委員会で進められていますが、参加企業名や外資系企業が入っているのかどうか、選定作業はどのように行われているのか、議会にも県民にも情報が公開されていません。 昨年三月に公開された実施契約書などには、五年に一度の料金改定の際に議決が求められることだけがあり、それ以外に県議会がどのように二十年間の運営に関われるのか、情報を取得し県民の立場で監視できるかについての大事な決まりが何もありません。これはあまりにも議会軽視、議会無視と言えます。建設企業委員会でこの点をただしたところ検討中であると答弁されましたが、いまだ回答がありません。知事は議会の大事な権限であるチェック機能をどう位置づけるのか、伺います。 市民団体が出した公開質問状への回答では、「みやぎ型管理運営方式の二十年間は県の監査や包括外部監査の対象からも外れる。」と当局は回答しています。間違いないですか、伺います。 また、県が「最終責任を持つ。」と言いながら県の内部統制や包括外部監査対象から外れるのでは、県民へ責任を持つことにはなりません。併せてお答えください。 県は三月中に優先交渉権者を決め、すぐに基本協定を結び、六月議会に契約議案を提出しようと猛スピードで手続を進めています。 一方、昨年十月からみやぎ型管理運営方式の出前講座を依頼している市民団体には、「仕事が忙しくて三月末まではできない。」と答え、出前講座さえ行っていません。これこそ本末転倒です。県民へ説明をしないまま手続を進めることは許されません。少なくとも関係する自治体ごとにしっかりと県民への説明会を行うべきです。知事に伺います。 更に、当局は、昨年末にみやぎ型管理運営方式の実施契約書や要求水準書など重要な六つの文書を二百十二項目も変更しました。記載ミスの訂正などの単純な変更もありますが、三回にわたって行われた応募事業者との競争的対話と言われる交渉の中で、事業者の要求に従って県や県民の負担が大きくなるという重大な変更があり、問題です。中でも運営権者や親会社が持つ特許などの使用料、知的財産権についての変更は、契約期間の二十年間を超えて無期限に使用料を支払うことに変えられ、契約が切れた二十一年目以降も県や県民を拘束し、ずっと将来にわたって水道料金からお金を支払い続けることになるもので大問題です。しかも無期限に支払うべき使用料が一体幾らなのか、その金額は契約する時点では分かりません。金額が示されない白紙に判こを押して、「言われた金額のお金をずっと払い続けます。」という、とんでもない契約です。日本での下水道民営化の先行事例といえる静岡県浜松市や高知県須崎市でも、海外の先行国フランスでもこうした契約条項はありません。知事はどう考えているのか、伺います。 内閣府のガイドラインでは、要求水準書の作成のために競争的対話は活用されるとあります。公募後に競争的対話を行い、それを基に応募事業者だけに便宜を図る条件変更を行うことは、事業募集の公平性に反し国のガイドラインからも逸脱するものです。県や県民の不利益につながる、これらの変更がどうして必要なのか、議会にも住民にも分かるように丁寧に説明すべきです。いかがですか、伺います。 下水道の放流水質基準について、国基準より厳しい県基準を現在は毎日満たすことを求めていますが、結果として月平均値に緩和する変更が要求水準書で行われました。水道の水質基準についても、この契約では現在よりも検査回数の頻度が減らされ、いずれ悪化していくのではありませんか、お答えください。 みやぎ型管理運営方式では、任意事業として市町村の水道、下水道、集落排水、浄化槽事業までも運営権者が受託できることになっています。言わば、みやぎ型管理運営方式の運営権者一グループ、SPCが蛇口からトイレまで独占できる仕組みがつくられようとしています。 また、管路の維持管理発注事業は当初二十年間は県が行いますが、その先は公営企業管理者が建設企業委員会で答弁したように、決まっていないのでどうなるか不明です。本格的な管路更新は四十年先からと当局は説明しています。民営化の二十年間で大きく失われる県の技術力で管路更新の発注業務が十分にできるのでしょうか。 二〇一八年十二月の水道法改定で、水道民営化と同時に市町村水道の広域化推進とそのための旗振り役としての県の役割が明確になりました。市町村水道の広域化と県事業との経営統合が進めば、ダムからの管路、市町村への配水管路、更には市町村の水道・下水道の管路も丸ごとみやぎ型管理運営方式の運営権者が工事を独占発注できることになります。公共事業として行われてきた管路工事は民間事業となり、株主の企業や協力企業が独占受注することも十分あり得るのではないでしょうか。そして、それこそが外国企業もゼネコンも参加する今回の民営化の大きな狙いではないでしょうか、お答えください。 そうなれば、公共事業として管路をはじめとした上下水道工事を受注して安定的に仕事を行ってきた県内各地の地元中小事業者は、利益が地域外へ収奪される大変な事態に陥ることは容易に想定できますが、知事はどう考えているのですか、伺います。 新型コロナの世界的拡大で水道や下水道は都市の重要な衛生施設としての位置づけが一層高まっています。さきの地震による山元町、塩竈市、多賀城市の断水事故でも水道事業がいかに市民生活に欠かせないものであるかが再認識されました。上下水道はその公的な役割にふさわしく、県が将来にわたって安全安心で安価、安定的に県民に責任を持って提供すべきです。利益の対象にしてはいけません。様々な問題が指摘されているのに、それに誠実に答えようとせず強引に進めているみやぎ型管理運営方式はきっぱり中止することを知事に求め、伺って第一問といたします。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 福島かずえ議員の代表質問にお答えいたします。 大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、新型コロナウイルス感染症を抑え込むためのPCR検査の抜本拡充とワクチン接種対策、コロナ禍の中で困っている人たちへの様々な支援策についての御質問にお答えいたします。 初めに、福祉施設等の職員等に対するPCR検査についてのお尋ねにお答えいたします。 高齢者施設については、職員や利用者が罹患した場合、施設内での感染拡大や感染者の重症化が危惧されるため、今月から感染が拡大している地域内における施設の職員や利用者を対象とするとともに、それ以外の地域でも職員等については従来より幅広く、無症状者も含めて検査を実施することといたしました。これらの新しい対策については、高齢者施設におけるクラスター発生が多いことや重症化リスクが高いことなどを踏まえて、高齢者施設を対象に実施することとしたものであります。 なお、検査に係る初診料等の自己負担分については、健康保険法等に基づき受診者の負担となっております。 次に、ワクチンに関する早期かつ正確な情報発信についての御質問にお答えいたします。 ワクチン接種の有効性や安全性、副反応のリスク等の情報は、接種する医師や接種を受ける方にとってとても重要でございます。このため、県では国に対してワクチン接種に関する具体的な情報を積極的に周知・広報するよう要望しております。県ではこれまでも国から示された情報を市町村や医師会等へ速やかに周知しており、引き続き関係者との細やかな連携による早期かつ正確な情報発信に努めてまいります。 次に、ワクチンの個別接種実施に向けた市町村等との連携についての御質問にお答えいたします。 接種の実施主体である市町村では、現在、郡市医師会等の地域の医療関係者の協力を得ながら体制を整備しているところであります。県では、郡市医師会への協力要請や地域での検討会議への参加により地域の実情に即した体制づくりを支援しておりますが、各地域においてその地域の特性を考慮し集団接種のみならず個別接種についても検討が進められているところであり、個別接種の場合の医療機関の費用の支援や資料の提供についても対応することとしております。 また、相談窓口の設置については、市町村はワクチン接種会場の問合せなどといった一般的な相談に、県は市町村では対応困難な副反応など専門的な相談に対応するよう役割を分担することから、市町村と連携し対応してまいります。 次に、医療機関への減収補填についての御質問にお答えいたします。 医療機関への支援につきましては、国において第三次補正予算で診療・検査医療機関に対する財政支援措置が新たに設けられるなど段階的に拡充されてきております。新型コロナウイルス患者の受入れにかかわらず受診控えなどによる医療機関の減収は大きな問題であると捉えておりますが、国が統一的な観点で対応するべきことから、診療報酬の在り方を含め、引き続き全国知事会等を通じて国に要望してまいる所存であります。 次に、コロナ禍における大学生等への支援についての御質問にお答えいたします。 大学等の授業料については、令和二年四月から国の制度による高等教育修学支援が開始され、所得に応じて授業料の減免が行われているところであります。加えて、県では新型コロナウイルス感染症の拡大により経済的に厳しい状況となっております学生の修学継続を支援するため、宮城大学が行った独自の授業料減免に要する経費について大学へ補助しております。 学費等の返還や減免については、各大学等の判断により行われるべきものでありますが、独自の授業料減免を行った国立大学や私立大学に対しては国から同様の支援が行われております。 また、家賃を含め生活費にも充当できる支援制度としては、国の学びの継続のための学生支援緊急給付金や宮城県社会福祉協議会の教育支援資金などがありますので、引き続きこれらの支援制度を周知してまいります。 更に、県でのアルバイト等の雇用創出については、民間等での雇用機会をしっかりと見極めていく必要があるものと考えております。 次に、女性労働者に対する不利益取扱いについての御質問にお答えいたします。 男女雇用機会均等法及び労働基準法において、性別を理由とする募集、採用、配置・昇進、賃金等での差別的な取扱いは禁止されております。 また、今年四月からパートタイム・有期雇用労働法に基づき、全ての企業で女性が多い非正規雇用労働者と正社員との不合理な待遇差が禁止されることになっております。こうした雇用管理指導は基本的には国が担うものとされておりますが、県といたしましても宮城労働局と連携しながら、これらの法令が遵守されるよう周知に努めるとともに必要に応じ県内経済団体に対する要請等を行ってまいります。 次に、ジェンダー平等についての御質問にお答えいたします。 SDGsの目標の一つであるジェンダー平等は、性別にかかわらず全ての人の人権が尊重され、尊厳を持って誰もがその個性と能力を十分に発揮し、生きがいを持って生活できる男女共同参画社会の実現を目指す上で大変重要であると認識しております。国においては、新しい第五次男女共同参画基本計画が今年四月からスタートすることとなっており、我が県においても今議会に第四次宮城県男女共同参画基本計画を議案として提出し、更に積極的な取組を推進することとしております。県としては、社会のあらゆる分野において男女共同参画を推進するため、引き続き、市町村、事業者、関係団体など様々な主体と連携しながら男女共同参画の視点に配慮した県政運営に努めてまいります。 次に、生活保護の弾力運用についての御質問にお答えいたします。 生活に困窮された方には、自立相談支援事業などの各種支援を行っておりますが、生活保護を必要とされる方がためらわず相談されるようホームページなどを通じて案内するとともに、市町村、民生委員と連携し周知に努めてまいります。 扶養照会や自動車の保有につきましては、申請者の特別な事情を考慮しながら柔軟な取扱いが可能となっており、これらの取扱いを適切に実施してまいります。 次に、住宅扶助費の上限額引上げについての御質問にお答えいたします。 生活保護における住宅扶助費は、地域区分ごとに上限額が定められておりますが、これとは別に地域において住宅扶助の上限額の範囲内では、賃借可能な住宅がない場合などに適用される特別基準額が設けられております。これらの基準は、生活保護法に基づき国が各地域における家賃の実態を勘案して適切に設定しているものと認識しております。 次に、持続化給付金の再支給及び県独自の給付についての御質問にお答えいたします。 国の持続化給付金の再支給や要件緩和については、県単独のほか全国知事会を通じて国に要請しているところであります。 また、売上げが減少した事業者を支援するため中小企業等再起支援事業等の独自支援を行ってきたほか、市町村が地域の実情に応じて行う取組を支援する事業者支援市町村補助金を再度実施することとしております。県といたしましては、今後も感染状況や経済活動の状況を考慮し関係機関と連携しながら必要な支援を講じてまいります。 次に大綱二点目、県民会館建設は県民・利用者の声を聴き、仙台市との十分な協議が必要についての御質問にお答えいたします。 初めに、県民・利用者の声を反映した建設計画の策定についてのお尋ねにお答えいたします。 県民会館については、現地建て替えでは、現在抱えている様々な課題を解消することができないことなどを踏まえ、有識者会議等での議論を経て仙台医療センター跡地を移転候補地としたものであります。 先月、議会でお示しした新しい基本構想の素案について、現在、文化芸術やNPOの関係者から御意見を伺いながら内容を精査しているところであり、来月までには最終案を取りまとめ、改めて議会に報告したいと考えております。 基本構想策定後は、我が県の文化芸術の更なる発展に向けて利便性の高い施設となるよう、利用者の皆様の御意見を伺いながら建設事業を進めてまいります。 次に、仙台市長との話合いや仙台市との継続的な協議についての御質問にお答えいたします。 先般、仙台市長とは、県民会館移転後の跡地利用に関し周辺エリアのまちづくりへの影響や今後の検討の進め方などについて意見交換を行い、継続的に協議することを申合せたところであります。 また、ホールのすみ分けについては、県民会館はあらゆるエンターテインメントに対応する劇場型とする一方で、仙台市の音楽ホールは生の音源に対する音響を重視するとして機能面の違いが整理されております。 二千席規模のホールについては、県が平成三十年に実施した需要調査に加え仙台市が今年度実施した需要想定調査によって、県と仙台市がそれぞれ整備しても十分な需要が見込まれるとされております。 県民会館の移転整備は、県全体の文化芸術の振興にとって必要不可欠な施策であると同時に、仙台市のまちづくりにも十分配慮する必要がありますので、引き続き仙台市と緊密に連携・協議しながら進めてまいります。 次に、大綱三点目、緊急性、必要性がない仙台空港二十四時間化は撤回を、についての御質問にお答えいたします。 初めに、需要見込みと具体的な就航便についてのお尋ねにお答えいたします。 運用時間の二十四時間化により、旅客便の国内外の新規路線開設や増便の可能性が高まり航空会社の拠点化が促進されるほか、貨物便が増えることで地場産品の販路拡大が見込めるなど、交流人口の拡大と地域産業経済への大きな効果が期待されます。このため、地元経済界はもとより、航空会社や物流会社からも運用時間の二十四時間化を歓迎する声を多くいただいているところであります。 現在、仙台国際空港株式会社には、航空会社から就航に向けた問合せが寄せられており、今後、運用時間延長に係る手続について具体的な就航便を基に国との調整が進められていくものと考えております。 次に、運用時間二十四時間化は撤回すべきとの御質問にお答えいたします。 運用時間の延長については、約二年半にわたり地元の方々と延べ六十七回の丁寧な意見交換を重ね、騒音対策と地域振興策に一定の御理解をいただき、先般開催された市議会での議論を踏まえ名取・岩沼両市として最終的な判断がなされたものと認識しております。 このたび実現した運用時間の二十四時間化は、交流人口の拡大や地域産業経済の発展に大きく寄与するものと確信しており、新型コロナウイルス感染症の影響により様々な業界が厳しい状況にある中で、コロナ収束後を見据えた新たな展望を示せたことは大変意義のあることだと考えております。 県としては、仙台国際空港株式会社や地元自治体・経済界と一体となって二十四時間化された仙台空港を最大限に活用し、宮城・東北の持続的な発展に取り組んでまいります。 次に、大綱四点目、大震災十年、東日本台風から一年半、生活再建は道半ばについての御質問にお答えいたします。 初めに、災害公営住宅の家賃支援についてのお尋ねにお答えいたします。 災害公営住宅における低所得者や収入超過者に対する家賃減免の実施については、被災市町の抱える状況に違いがあるため各市町が地域の実情に応じて判断すべきものと考えており、これまで、県では各市町で適切な判断がなされるよう圏域ごとの会議や個別訪問等を通じ意見交換を行いながら、その制度設計について助言を行ってまいりました。 また、家賃低廉化事業のかさ上げ補助については、被災者の生活再建や被災市町の復興支援のため必要不可欠な事業であることから、その見直しに当たっては安定的な財政支援が継続されるよう全国知事会などを通じて国に要望してまいります。県といたしましては、引き続き被災市町が行う災害公営住宅の管理運営をしっかりと支援してまいります。 次に、災害公営住宅入居者の健康調査についての御質問にお答えいたします。 この健康調査につきましては、被災者の健康状態を把握し支援が必要な方を健康支援事業に結びつけることを目的とし市町と共同で実施してきたところですが、市町による通常の保健福祉活動での支援へと移行している状況も踏まえ今年度で終了することとしたものです。県としては、引き続き保健福祉事務所が市町の支援を行うなど各種取組に関わり被災者の健康課題を把握してまいります。 次に、被災者の見守り・相談支援に係る国への財政支援の要望と市町と連携した取組継続についての御質問にお答えいたします。 被災者の見守り・相談支援については、私自ら国に対し継続の必要性を強く訴えてきたものであり、来年度以降も被災地域福祉推進事業による実施が認められております。 来年度以降の事業内容については、市町の意向を十分に踏まえて計画したものであり、こうした見守り・相談支援の取組の一方で、通常の地域住民の支え合い体制や包括的な相談支援体制の移行を支援してまいります。 次に、大震災の被災者生活再建支援金における加算支援金の申請期間を延長すべきとの御質問にお答えいたします。 被災者生活再建支援金に係る加算支援金の申請期間については、これまで四回の延長を行い、現在、仙台市や石巻市など九つの市町が令和三年四月十日までとなっております。昨年度、対象市町をはじめ公益財団法人都道府県センター及び内閣府と協議を重ね、再度、未申請世帯への周知期間を確保することなどを理由に申請期間の最後の延長を行ったものであります。以降、九つの市町においては、訪問や電話、広報等により未申請世帯への申請勧奨に努めていただいているところであり、県では定期的に状況把握を行っております。県としては、引き続き広報等により申請期間の終了について周知するとともに、要件を満たしている方にはできる限り申請していただけるよう対象市町と連携しながら適切に対応してまいります。 次に、丸森町への応援職員の増員についての御質問にお答えいたします。 丸森町では、令和元年東日本台風による公共土木施設の災害復旧に係る事業費が膨大であることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響により測量設計業務の完了に時間を要したこと、入札不調が生じたことなどにより工事着手が遅れたと伺っております。県では、丸森町を支援するため、県内市町村と連携した県職員一名を含む土木系職員六名の派遣や宮城県建設センターと連携した設計積算等の支援、県道の迂回路となる町道古田峠線の維持管理及び災害復旧工事の受託など、きめ細かな対応を行ってまいりました。県としては、来年度も他自治体から職員派遣を受け東日本大震災及び令和元年東日本台風の復旧・復興事業の完遂に向けて取り組むこととしており、更なる技術職員の派遣は困難な状況でありますが、これまでの取組を継続するとともに連携を更に強化しながら丸森町の一日も早い復旧・復興に向け積極的に支援してまいります。 次に、被災家屋の公費解体についての御質問にお答えいたします。 被災家屋の解体については、市町村が国の災害等廃棄物処理事業を活用して取り組んでおり、この制度の枠組みの中で申請期限を設定し生活環境への影響を確認の上、個々の状況に応じてその必要性を判断しているものと承知しております。 このため、県といたしましては、市町村からの公費解体に関する要望があれば国に対し働きかけを行うなど今後も適切に対応してまいります。 次に、二月十三日に発生した福島県沖地震における被害の実態把握、災害救助法適用や県独自支援の創設等についての御質問にお答えいたします。 被害の実態については現在調査中であり、引き続き丁寧に調査し被害の全容の把握に努めてまいります。 また、災害救助法の適用や激甚災害の指定については、現時点では基準を満たす調査結果は出ておりませんが、把握した被害状況に応じて対応してまいります。 次に、市町村における被災者台帳の整備促進等の市町村支援を復興・危機管理部が担うべきとの御質問にお答えいたします。 被災者台帳については、被災者の状況を一元的かつ的確に把握し被災者の援護を総合的・効率的に実施する上で有効な手段の一つと考えております。 しかしながら、市町村においては、被災者台帳をシステム化する費用や専門職員の不在などの課題があるため取組が進んでいない面があります。 この被災者台帳の整備については、四月から復興・危機管理部が担うことになりますが、市町村に対して地方公共団体情報システム機構、J-LISの支援情報の提供に努めるなど、その整備を促してまいります。 次に、災害ケースマネジメントについての御質問にお答えいたします。 被災者一人一人の住まいや就労、健康問題などの多様な課題を把握し、適切な情報提供や支援等を効果的に行う災害ケースマネジメントは、市町村が地域の実情に応じて実施することが重要であります。災害の規模により人材の確保や支援制度の構築、財源の確保など様々な課題があることから、県といたしましては東日本大震災や令和元年東日本台風における取組、全国各地における事例について適切な情報提供を行い市町村を支援してまいります。 次に、大綱五点目、情報を隠しながら進めている県上下水道民営化の中止と市町村水道広域化の問題点についての御質問にお答えいたします。 初めに、みやぎ型管理運営方式は県と市町村の経営統合が目的ではないのか、また、この場合の地元中小事業者への影響についてのお尋ねにお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式は、県が行う水道事業について官民連携により経営基盤の強化を実現するものであり、県事業と市町村事業との経営統合を目的としたものではありません。 現在、市町村が行う上下水道事業については、広域連携を視野に入れた検討を進めておりますが、水道事業を取り巻く地域の実情も踏まえ市町村が希望する場合には、みやぎ型管理運営方式で運営権者が受託できる制度としており、県との垂直連携についても実施可能な仕組みとしております。 次に、みやぎ型管理運営方式は中止すべきとの御質問にお答えいたします。 水道事業は、県民の生活に不可欠な代替性のない社会資本であり、将来にわたり安定的に継続されることが最も重要であると認識しております。県が運営する水道用水供給事業及び流域下水道事業は、市町村を支える大変重要な事業であり、民間の力を最大限活用して経営基盤の強化を図るみやぎ型管理運営方式の導入の必要性はますます高まっていることから、これまでどおり県民への丁寧な説明を継続しながら令和四年度からの事業開始に向け着実に取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 公営企業管理者櫻井雅之君。    〔公営企業管理者 櫻井雅之君登壇〕 ◎公営企業管理者(櫻井雅之君) 大綱五点目、情報を隠しながら進めている県上下水道民営化の中止と市町村水道広域化の問題点についての御質問のうち、情報公開審査会の答申を踏まえた対応についてのお尋ねにお答えいたします。 審査請求に基づく先月の情報公開審査会から企業局への答申では、前回の開示から時間が経過したことにより公知の事実として追加されたものや、より細かい文節単位で開示範囲が追加されたもので、現在、三月上旬の開示に向けて手続を進めているところであります。 次に、みやぎ型管理運営方式における議会への説明責任と定期監査等の取扱いについての御質問にお答えいたします。 水道三事業は県民生活にとって大変重要な社会資本であることから、運営権者の事業の実施状況について、少なくとも年一回の議会への報告を条例に規定し透明性の確保を図ることとしております。 また、運営権者の業務は直接定期監査等の対象とはならないことから、仮称経営審査委員会を条例により設置し、経営状況や各種モニタリング、施設・設備の改築修繕計画等についてチェックする機能を設けることとしております。 次に、みやぎ型管理運営方式における県民説明についての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式の導入に当たっては、これまでもシンポジウムや事業説明会の開催など幅広い周知に努めてきており、今年度は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中でも感染対策を徹底した上で事業説明会を開催したほか、市民団体からの要請を受けた出前講座の実施や県政だよりへの記事掲載等を行っております。県といたしましては、引き続き県民理解の促進を図るため、事業者の選定結果や提案内容等について様々な手法により正確な情報提供と丁寧な説明に努めてまいります。 次に、実施契約書等の変更における知的財産権の取扱いについての御質問にお答えいたします。 運営権者が設備機器の導入時に一括で支払う特許料等の知的財産権については、当初の案より事業期間終了後において次期事業者が無償で使用できる規定としております。 一方、知的財産権の中には一定期間利用料金の支払いを必要とするものがあり、このような場合は事業期間終了後に無償とすることは困難であることから、県が必要と認める場合に限り運営権者が支払っている料金を上限として使用できる規定を追加したもので、県民の負担増に直結するものではございません。 次に、応募者との調整による募集要項等の改訂についての御質問にお答えいたします。 競争的対話を踏まえた募集要項や実施契約書案等の改訂は、ガイドラインに沿って実施し、その取扱いは国の確認を得て進めてきたところであります。 改訂に当たっては、昨年末にホームページに掲載し一月の常任委員会で報告しておりますが、今後開催を予定する県民への事業説明会等においても丁寧で分かりやすい説明に努めてまいります。 次に、下水道の放流水質及び上水道の水質基準についての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式における水質基準については、上水道、下水道とも法令等で義務づけられている水質基準に加え県基準の設定も現在と変わらないことから、一切緩和するものではなく、これまでどおり良好な水質を確保していくよう運営権者に求めているところであります。 以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 答弁ありがとうございました。 高齢者福祉施設へ拡大したPCR検査の実施場所は、仙台市内のドライブスルー一か所とのことです。それでは気仙沼市や栗原市、石巻市など遠方の施設職員は職場を離れられず、できないという声が寄せられています。施設への訪問採取や地域ごとに採取できる場所を確保することを求めますが、いかがでしょうか。 ○議長(石川光次郎君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 高齢者施設のPCR検査でありますが、現在、仙台市内のドライブスルー施設で検査を実施しておりますが、今後の需要といいますか手の挙がった状況等を踏まえまして、検査の場所についてはドライブスルー方式以外の検査の方式も含めて検討してまいりたいと考えております。 ○議長(石川光次郎君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 十三日の地震被害について、新たに白石市で半壊が十戸判明いたしました。山元町や亘理町、白石市、角田市など福島県と隣接している地域では、福島県と同等の被害が生じていても不思議ではありません。県境によって支援に格差が生じることがあってはなりません。宮城県でも被害に見合う支援を行うことが重要ですが、知事にその決意を重ねて伺います。 ○議長(石川光次郎君) 総務部長大森克之君。 ◎総務部長(大森克之君) 今回の地震による被害につきましては、現在調査中でございまして、まだ全容を把握するに至っておりません。 また、各市町におきまして、先ほど質問でもありましたが、罹災証明書の発行に向けまして被災家屋の調査が始まっているという状況でございます。 県としましては、それらの状況を踏まえて対応を検討していきたいと考えております。 ○議長(石川光次郎君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 仮に被災者生活再建支援制度や応急修理制度の対象にならなくても、一昨年の山形県沖地震や昨年の千葉県の台風被害では、国土交通省の防災・安全交付金を使って独自の支援策をそれぞれ講じました。前例もありますので、一部損壊の被害にも宮城県が独自に支援策を講ずることを求めますが、いかがでしょうか。 ○議長(石川光次郎君) 総務部長大森克之君。 ◎総務部長(大森克之君) 今、お話がありました国の防災・安全交付金事業が過去に活用されたことがあるということは承知しております。そういうことも含めまして、被災状況を把握した上で対応を検討したいと思っております。 ○議長(石川光次郎君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 令和元年東日本台風の被災地でも十分に家を直し切れていない在宅の被災者が相当いることを、私、今回実感しております。昨年三月に総務省行政評価局がまとめた災害時の「住まい確保」等に関する行政評価・監視の報告書でもアウトリーチや災害ケースマネジメントが有効、効果的であると報告されています。ぜひ、市町任せにしないで、県としても新しくできる復興・危機管理部の仕事として位置づけて取り組んでほしいのですが、重ねて伺いたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これから具体的なことを考えますが、できる限り被災者に寄り添うというのは当然のことだと思ってます。 ○議長(石川光次郎君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 岩手県では、総務省の補助事業を活用して被災者台帳を作成する岩手県被災者台帳システムを構築して県内市町村にそれを提供し、システム活用ガイドラインもつくって市町村での被災者の生活再建を支援しています。新潟県、東京都、大分県でも同様の取組をしています。先ほど知事から前向きの御答弁をいただきましたが、ぜひ、これらを参考に宮城県でもシステムの構築に県が市町とともに取り組んでいくことも検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。 ○議長(石川光次郎君) 総務部長大森克之君。 ◎総務部長(大森克之君) 先ほど知事からも御答弁申し上げましたが、市町村のほうでは台帳の整備に取り組もうとしていることは間違いございませんが、システム化の際の費用でありますとか専門職員の不在のようなものは、やはり課題として上がっております。現在でも、先ほど知事から御答弁しました地方公共団体情報システム機構、J-LISの支援制度がございます。こういったものもうまく活用しながら整備していけるように県としても対応していきたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) ぜひ、総務省の補助メニューも財政支援もありますので、活用しながら前向きに検討していただきたいと思います。 被災者の健康調査、災害公営住宅の健康調査を今年度で打ち切ることは、復興の当事者である被災者の暮らしの現状把握を県が放棄することに等しいと私は思いますが、いかがですか。 ○議長(石川光次郎君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 健康調査につきましては、昨年も各市町の担当者会議で確認しているわけでありますが、県事業としての継続を希望する声がなかったため、先ほど申しましたように、県としては支援という形で今後関わっていくことになっているものでございます。 ○議長(石川光次郎君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 少なくとも仙台市と石巻市からは継続してほしいという声がありました。それは今も続いておりますし、更に国や県に対しての要望というのもこの二自治体からは出ておりまして、県がやらないからやらないでは済まないので独自でもやるという対応をしております。一〇〇%国の交付金を使えるものですから、やはり求められたことに県が取り組んでいくべきだと思います。東北メディカル・メガバンク機構のプレスリリースでも、住宅被害がある住民は住宅被害がない住民に比べ、体脂肪率、腹囲の増加--いわゆるメタボです。それから平均の歩数、骨密度の減少、血圧の上昇、心理的苦痛などが認められているという震災被害の長期的な影響が報告されています。被災者支援を一般的な保健福祉行政の中に今後は取り込んでいく方向だとおっしゃっておりますが、そうしたことは、この事実・科学から目を背けていくことになるのではないですか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 先ほども答弁したように、各市町といろいろ意見交換をさせていただき、各市町から今後は通常の保健福祉活動で支援していきたい、健康調査をしていきたいという声が多数であったということであります。それを受けて、今後は市町を支援する形で保健福祉事務所が寄り添って対応していくということでありますので、決して県の意向で保健福祉活動に切り替えるといったことではないということは御理解いただきたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 両市からはそういうことではなく、県が一緒にやってほしい、県が一緒に取り組んでほしい、それが当然じゃないかというような言い方も間接的に伺っております。 知事は、健康調査の目的が入居者の健康状況を把握し、要フォロー者を必要な健康支援に結びつけるという役割・目的だけではなく、施策展開の基礎資料とすることだということが毎回の健康調査の結果の一番最初に書いてあるのですが、そうしたことは御存じだったでしょうか。 ○議長(石川光次郎君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 健康調査そのものが被災された方々の健康把握のみならず、その方々のつながりということを確認するという点にあることも、各市町からはその効果等も聞いているところであります。先ほどもちょっと申しましたが、もともと災害公営住宅の全戸完成から、おおむね二年程度で県事業としての健康調査を終了するということをおおむね各市町と合意してまいりました。先ほど申しましたように、昨年八月にも担当者の会議で各市町から県事業としての継続を希望する声がなかったということを申し上げましたが、その過程で石巻市から事業継続の要望が出されたことも確かにありましが、最終的に他の自治体の状況でありますとか、それから通常の保健福祉活動に移行するという対応方針などについて御理解をされて、このようなことになっていると理解しております。 ○議長(石川光次郎君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 大変残念です。知事は先ほどソフト面に軸足を移すという形で補正予算の施政方針をおっしゃいましたが、それならば、ぜひ、この健康調査に県が関わり単身高齢者によって生じる問題にも責任を持って施策展開を行うべきです。孤独死は先ほど昨年末で百九十六人と言いましたが、プレハブ仮設住宅では百九人おり既に二倍になっている現状も見て、ぜひ、これは継続を求めていきたいと思います。 生活支援相談員も三割も一気に減らしたり、四千世帯も未受給者を残して被災者生活支援金制度の加算支援金も締め切るのでは、誰一人取り残さない復興というのは、言葉倒れになってしまうのではないかということを指摘して、次の質問に移りたいと思います。 水道民営化、みやぎ型管理運営方式について少し伺います。 報告書は年に一回ということでありますが、今までどおりの議会の調査権があるのか、SPCに調査権が及ぶのか、伺いたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 公営企業管理者櫻井雅之君。 ◎公営企業管理者(櫻井雅之君) 先ほども答弁いたしましたとおり、いわゆる監査等につきましてはSPCの調査対象ということにはなりません。それに代わる形で、年に少なくとも一回、議会のほうに報告する。あわせて、いわゆる経営審査委員会というものを設置して、その内容についても報告することを考えているところでございます。 ○議長(石川光次郎君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 結局、議会の調査権も内部統制もそれから監査も通用しないということであります。 緊急性も必要性もない、そして住民への説明責任も果たしていない空港二十四時間化、そして命の水を商品にして、もうけの対象にする水道民営化はきっぱり撤回して、今、コロナ対策、被災者支援などで困っている人を救う仕事を最優先にすべきだと指摘して、終わりたいと思います。 ありがとうございました。 ○議長(石川光次郎君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○議長(石川光次郎君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後三時五十三分散会...